昨日、ポータルサイトのニューストピックで「国防部、‘教科書改正’要求」というのを見たのですが、即座には理解できませんでした。いや、字ズラは理解できたのですが、その内容が、です。
国防部といえば、日本の防衛省のようなもの。それがなんで教科書の改正要求?どんな権限で??教科書にイチャモンとなると、やっぱり歴史教科書???
そして、記事の中身を見てさらに頭を抱えてしまいました。国防部が、まるでニューライトのような歴史観を押し付けようとしている模様です。そりゃ、全斗煥なんて、軍のトップからクーデターで大統領に成り上がり、軍を利用して市民を弾圧しまくった人ですから、国防部としてはヨイショするのも「さもありなん」って感じですが・・・。ついでにアメリカもヨイショ~って・・・。
まじでヤヴァいよ、この国。
国防部、‘教科書改正’要求
全斗煥政権美化、北への肯定認識遮断
【ソウル=連合ニュース】キム・ボムヒョン記者=国防部が北朝鮮に対する肯定的な認識を払拭させ、全斗煥政権を美化した高校用の韓国近・現代史教科書改正案を教育科学技術部に伝達したことが確認された。
国防部が18日、国会国防委所属の民主党アン・ギュベク議員に提出した「高校教科書韓国近・現代史改善要求」資料によると、国防部は高校教科書の内容のうち、25項目に対する削除または改善意見を提示した。
国防部は、▲全斗煥政権をはじめとする歴代政権を美化し、▲北朝鮮および共産主義体制に対する肯定的認識を遮断し、▲アメリカに対する否定的認識を払拭させるなど、いわゆる‘左偏向’修正に焦点を合わせた。
国防部は金星出版社の教科書に記述された歴代政府に関する各単元の項目を‘李承晩政権の独裁化’から‘自由民主主義体制を確立した李承晩大統領’に、‘憲法の上に存在する大統領’を‘民族の近代化に寄与した朴正煕大統領’に、‘全斗煥政府の強圧政治と抵抗’を‘全斗煥政府の功罪と民主化勢力の成長’にそれぞれ変えることを要求した。
特にこの教科書の「全斗煥政府は・・・権力を動員した強圧政治を行った」という部分に対しては、「全斗煥政府は・・・民主と民族を掲げた一部の親北的左派の活動を遮断するさまざまな措置をとらざるをえなかった」に修正しなければならないという意見を出した。
また、国防部は済州4・3事件について「南労党(南朝鮮労働党)は全国的なストと暴動を指示したが、その中でも全国阻止行為がもっとも激しかったのが済州島で、4月3日には大規模な左翼勢力の反乱が起こった」とし、「鎮圧過程で主導勢力の扇動にだまされた良民たちも多くが犠牲になった事件」だと主張した。
現行の大韓教科書の「1947年に済州島で3・1節記念式を終えて市街行進をしていた群集に、警察が発砲した・・・軍政当局は武力で弾圧し、これが4・3事件の発生に多大な影響を与えた」という記述とは大きな違いがある*。
これと共に国防部は、李氏朝鮮末期から大韓帝国までの時期の外国との通商条約に関して、「米朝通商条約は不平等条約だった」という題目などから‘米国’を削除するように要求した。アメリカに関する否定的認識を持たせてしまうというのが、国防部の主張だ。
国防部は解放以降の米軍政についても「アメリカの経済的援助による飢餓解消など肯定的側面は過小評価し、否定的側面ばかり強調している」と評価し、これに対する改善を要求した。
* 1999年に韓国の国会で審議され、2000年に制定された『
済州4・3事件真相究明および犠牲者名誉回復に関する特別法』によると、「済州4・3事件は1947年3月1日の警察の発砲事件を起点とし、警察と西北青年団の弾圧に対する抵抗と、単独選挙・単独政府反対を掲げて南労党済州島党武装隊が1948年4月3日に武装蜂起を起こして始まった」と概説されています。どう読んでも、現行教科書の記述の方がこの法律に沿った表現をしていますよね。う~ん、国防部って、国会よりもエラかったんですねっ。
済州4・3事件に関しては、拙ブログの翻訳記事もご参照ください。
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