論争の『YASUKUNI』上映中止-“損害賠償請求へ”
[キャスター]
日本の軍国主義の象徴である靖国神社を扱った映画が、今月12日の日本での公開を前に突然、上映が取り消されました。保守派の圧力のためと見られていますが、配給会社側はYTNとの電話インタビューで、損害賠償を請求するなどの厳しい対応をしていくと明らかにしました。
東京のキム・サンウ特派員がお伝えします。
[レポーター]
中国人のリ・イン監督が戦争後遺症という問題意識を持ち、10年間撮影して制作した映画『YASUKUNI』。先月、香港国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞しました。ささいなことで日韓、日中間の外交問題を引き起こしてきた靖国神社の境内での様々な光景を映しています。
[インタビュー:リ・イン映画『靖国』監督(3月10日)]
「日本の戦争責任問題をもう一度問いなおしてみたものです。 靖国の本当の魂は何なのか、その魂の意味は何なのかを(問いただしたものです)。」
今月12日、東京などの映画館5カ所で上映される予定だったこの映画が突然、上映中止となりました。映画館側はこの映画のせいで近隣施設に被害をおよぼす憂慮があるとし、上映を取り消したと説明しました。
しかし、右翼勢力の激しい抗議行動のためだと伝えられています。自民党の稲田朋美議員などは、この映画が反日的な内容を含んでいるとして先月、政府側と試写会を開かせ、事前検閲との批判を巻き起こしました。
[インタビュー:リ・イン映画『靖国』監督]
「国会議員たちが動き出せば、また変な反応が出てくることが我々は心配です。 これは配給会社側や宣伝側にとっては大きなプレッシャーですよ。」
映画配給会社であるアルゴ・ピクチャーズ側は、表現の自由を侵害された憤りを感じているとし、映画館側に損害賠償を請求するなどの対応策を記者会見を開いて明らかにすると言及しました。日本政府と映画界は、映画『YASUKUNI』の上映が中止となったことに関連し、遺憾だと表明しました。しかし、上映のための具体的な努力はまだ示されていません。
東京からYTN、キム・サンウでした。
(2008年4月1日 YTNニュース)