研究者が待ち望む‘1430万件の真実’ 近代日本の公文書の宝庫‘アジア歴史資料センター’ »アジア歴史資料センターのホームページで検索した尹奉吉(ユン・ボンギル)義士に関する資料。尹義士に対する処刑執行文書と処刑現場の写真。 7年前から極秘文書デジタル化 ネットで公開「韓国も活用を」 「アジア歴史資料センターのホームページを通じて日韓近代史の公文書資料を検索してみると、日本軍慰安婦の実態が決してデマではないということがわかる」 先月末、記者が訪れたアジア歴史資料センター(www.jacar.go.jp)の牟田昌平・公文書専門館は、このセンターの存在意義をこのように説明し、韓国の研究者も積極的に利用することを求めた。2001年11月に独立行政機関として発足したこのセンターは、明治の初期から第二次世界大戦敗北までの日本政府の機密外交文書などの公文書をデジタル化し、オンラインを通じて無料で提供している。韓国などの周辺国と歴史的事実を共有することが何よりも重要だと判断し、日本政府に不利な歴史資料も隠すことなく公開している。日韓近代史における資料の宝庫とも言える。 このセンターの設立は、「近隣諸国に関する歴史を直視するには、歴史研究支援事業が必要だ」という1994年の村山富市首相(当時)の談話に基づいて推進された。7年間の紆余曲折の末に開設されたこのセンターは、国立公文書図書館、外務省外交資料館、防衛省防衛研究所図書館など3つの政府機関が所蔵している近現代の公文書を、毎年15万~20万件(250万~270万画像)ずつデジタル化する作業を進めている。3000万画像に至る全資料のデジタル化は、4~5年内に終わる予定だ。現在、提供されている画像は1430万件ある。 ホームページの検索ウィンドウに‘朝鮮 韓国’というキーワードを入れると、資料4万5613件がヒットした。‘尹奉吉 執行’というキーワードで検索すると、31件がヒットした。一番最後にユン義士の処刑写真が含まれた‘極秘’資料が出てきた。だが日本軍慰安婦の資料検索には限界がある。当時、日本政府と軍部が慰安所、軍慰安所従業部など、事実関係を曖昧にする用語を使ったためだ。資料センターは、公文書にある用語と、利用者が検索に使う用語との乖離を補填するために‘辞書機能’も提供している。 アジア重視政策を標榜している福田康夫首相は、官房長官時代にアジア資料センターのデジタル化作業を促すなど、公文書の保管・管理に強い関心を示していたと言われている。80代の高齢にも関わらず、独島(竹島)研究のために毎年何度も訪日しては国立公文書図書館の資料にあたっているチェ・ソミョン国際韓国研究院院長は、「日本とちゃんと向き合うためには日本の公文書資料を積極的に研究する必要がある」と韓国の研究者たちの奮発を促した。 東京/キム・ドヒョン特派員 (ハンギョレ新聞 2008年02月19日)