日本、“博士号難民”が社会問題に
コンビニ・居酒屋“博士バイト”ざら
»<高学歴ワーキングプア-「フリーター生産工場」としての大学院>(著者・水月昭道)
日本で“博士号難民”が氾濫し、社会問題になっている。
大学院で苦労して学び、博士学位を取得しても一定の仕事に就くことができずに非常勤講師やアルバイトをしながら生計を立てる、いわゆる“フリーター博士”が全国で1万2000人を超えている。今年の10月20日に出版された『高学歴ワーキングプア「フリーター生産工場」としての大学院』(著者・水月昭道)は、発売後2ヶ月も経っていないにもかかわらず5万5000部の発売部数を記録し、博士号難民の実態を表す起爆剤となった。
2004年に九州大学大学院で博士課程を修了し、“立命館大学研究員兼非常勤講師”である著者・水月(40)も1年契約が終わる来年の春以降はどうなるかわからない身分だ。彼は『東京新聞』とのインタビューで「独身だからどうにか食べていける程度だ」と語り、「それでも非常勤講師という仕事があるからかなりましな方だ」と苦笑いを浮かべた。
高学歴失業を扱った本が論争に
臨時職を転々1万2000人以上
“大学院強化”が発端
彼の知り合いのある女性博士(33)は、大学の非常勤講師以外にもコンビニで“バイト”をしながら月15万円を稼いで生活費に充てている。居酒屋のバイトや塾の講師を掛け持ちしながら“パチプロ”になった博士もいるという。
昨年の博士課程修了者は過去最多の1万5966人だったが、このうち“死亡・行方不明者”が9.2%に当たる1471人に達するという驚異的な統計結果もある。水月は「優秀だった女友達がある日突然、研究室に来なくなった。どこで何をしているのか、担当教授もわからないそうだ。そんな人を何人も知っている。心身のどこかを病んでいる人が多い。家に閉じこもっている人も多い」と語った。博士を育成するのに1人当たり1億~1億5000万円もの国費が投入されている点を考慮すれば、本人や国家にとっても膨大な損失だ。
博士号難民の量産には、無計画な大学院重点化政策があるという指摘がある。1991年当時、文部省が「世界的な水準の教育研究の進捗」として大学院強化を表明した。これに従って東京大学をはじめとした多くの大学が、大学院進学を考えていなかった学生や未就業で悩んでいる学生に競って積極的に大学院進学を勧めた。
1985年には約7万人だった大学院生が、わずか20年余りで2倍を超える16万人に膨れ上がった。日本の大学は、少子化による大学進学者の減少を大学院進学増加で補ったわけだ。文部科学省は過剰となった博士号対策として博士号学位取得後、大学などの研究機関に3~5年間籍を置いて奨励金などを受ける“ポストドクター”を実施しているが、これも今年1万5000人を超えるほどの飽和状態になっている。
東京/キム・ドヒョン特派員
(ハンギョレ 2007年12月4日)
(独り言)
まあ、最近ちょっとプライベートでいろいろあって、そんな時期にハンギョレのこんな記事を読んで気分が「どよ~ん」としてしまいました。でも下の名言を思い出して復活しました。今は大丈夫です。
「人間はどんな所でも学ぶことができる。知りたいという心さえあれば」
@『MASTER KEATON』Byユーリー・スコット教授