2005年08月22日
そう、レプティンの最難関は、激流ではなく、
水の少ない“浅瀬”なのであった。
だって水の流れがあまりないから岩にひっかかっちゃうんだもん。
しかもここんとこ、雨も少なかったしね。
先発艇もあちこちで岩の間にひっかかり、
何人かが川に入って押したり引いたりしている。
ほほ~お、レプティン経験のある男子が逃げていたのは
こんな理由からだったのかぁ~。
私が乗っていた大学院生艇(以下・院生艇)もやはり岩にひっかかりまくり。
インストラクターのお兄さん、他3名の男子は大活躍。
それをか弱い(?)女子とK教授はのほほ~んと船上で眺めている。
まぁ、がんばれや。
第一の難関をどうにか抜け、院生艇はまたどんぶらこ~どんぶらこ~
と流れていった。
まじめに漕いでたのはインストラクターのおにーさんと少佐殿くらいか。
あとは漕ぐフリをしていただけ。
あ、中国小姐も一生懸命漕いでたけど、あんまり役に立ってないよ。
さっきまで水に入ってた男子2人は、ぜーぜーいってるだけだし。
そんな中、ボ~っとしていたG美を突然、川に突き落としたおにーさん。
「足はちゃんとスベリ止めにかけとかなきゃダメじゃん!うひゃひゃひゃ」
さ~あ、おにーさんのリベンジがはじまった~。
川に突き落とされたG美はアップアップ。
(救命胴衣をつけてるんだから、ジタバタしない方がいいんだけどね)
そう、レプティンとはトラの穴のごとく、キビシーものなのであった。
少佐殿に助けられ、ボートの上にどうにか水揚げ(?)されたG美。
「だに、ずるんですかぁ~。ゴホゴホ。」
私が「G美、泣いてる?」と聞くと、
「ないでまぜんよぉ~。びええ~ん。」という状態であった。
スマン。G美。
キミはそうゆうキャラなんだよ。
(彼女のイニシャルはGじゃないけど、なんとなくジャイ子に似てるんだもん。)
そうしてお笑いモードでどんぶらこと行くと、第二の難関にさしかかった。
またも浅瀬+岩場である。
しかも岩場の距離がさっきよりも長い。
見ると、諦めてボートからおり、ボートを担いで岩場を渡っている艇もある。
いや~ん。ついにこの艇までトラの穴モードに突入?
と、思っていたら、遠くの岩の上でU教授(ご当人のイニシャルはKですが、韓国にはK姓が多くてややこしいので便宜上U教授としました。なんで‘U’かといえば、『
動物のお医者さん』に出てくる漆原教授になんとなく似ているから。あぁ、この教授は
日本の安保問題の専門家で、日本の某国立大学の大学院でも教鞭をとっておられて日本語もベラベラなのに、こんなことを書いちゃっていいんだろうか…。)が何か叫んでいる。
かな~りご機嫌ナナメっぽい。
どうやら、
U教授の乗っていた艇は男子大学生ばかりで、女子学生は一人だった。
だもんだから、最初っからトラの穴モードだった。
んで、岩場に来たとたん、インストラクターから歩いて行ってくれと言われた。
しかも、インストラクターは女子学生をボートに乗せて先に行ってしまった。
置いてけぼりをくらったU教授は、ムキッー!
…と、いうことらしい。
「我々は客なんだぞ!」
「この会社の経営方針はどうなっとるのかね!」
「ここは軍隊なのかね!!!」
と、こっちの艇のインストラクターに怒りをぶつけるU教授。
「ボ、ボ、ボクは末端の、ア、アルバイトですから、よくわからな…」
またもトラの穴モードに変換するチャンスを失ったおにーさん。
そうしてU教授は
「もう一歩も歩かんもんね」と言わんばかりに院生艇に乗り込んできた。
さあ、この岩場をどうやって乗り切るのか!?
おにーさんと少佐殿はその岩場ではほとんど水の中であった。
そして岩の形や位置、水深、水の流れなどを考えて
あっちを引っ張り、こっちを押しとしていた。
男子学生2人も必死に手伝っていた。
U教授はボートの上から「あっちだ、こっちだ」と指示してした。
それを女子4人とK教授は「すまん~」という気持ちで見ていた。
どうにか長い長い岩場を乗り切り、水深の深いところに出た。
向こう岸で、U教授を置いてけぼりにした艇が歩かされた男子学生と合流していた。
「もう、そっちのボートになんか乗ってやんないもんね~!」
と子供のように叫ぶU教授。
やっぱり体育会系のノリよりも、こっちのユルユル院生艇がいいらしい。
でも、K教授は
「え~っ、最後までこの艇にいるの~?」という表情だった。
やっぱり教授陣の中でも一番若いだけに、気苦労が多いのね…。
U教授の機嫌もなおり、艇はまたどんぶらこ~と進み始めた。
両岸の若葉が風になびいている。
いや~、自然はい~ね~と思っていたら、何と、
おにーさんが、私の両足をひっつかんで川に投げ込みやがったのである。
(私はG美とは違い、ちゃんと足をスベリ止めにかけてたのに~)
どぼ~ん!
「何しやがる!」
と叫びたかったが、おにーさんに頭を抑えられ、水の中にブクブクブク。
手が離れたと思って息継ぎをしたら、また押さえられてブクブクブク。
G美の次の生け贄キャラはワシかい。ブクブクブク。
「そんなに日本人が憎いんかい!」
とボートに上がって叫ぼうと思ったら、今度はM美が突き落とされている。
どうやら、ここは水深もあって流れも緩やかなので、
女子を突き落とす名所(?)になっているらしい。
しかし、突き落とされたM美、水の中でフリーズ状態になり、まったく動かない。
「あ、ヤバイ」と思ったのか、少佐殿が飛び込んで救出に向かった。
(カッコイー)
ボートに上げられたM美は、しばらくは放心状態だったか、突然泣き出した。
しかもマジ泣きである。そーとーショックだったらしい。
「あ、ごめ~ん。もうせんから泣かんといて~!」
と、必死になだめるおにーさん。
男子諸君はオロオロ。
やっぱりM美はG美とはキャラがちがう~。
おにーさんも相手のキャラを見極めて突き落とさなきゃぁ。
そんな中、U教授がポケットからキャンディを出して
「これをやるから泣くな!」
こ、子供じゃないんだから…。(←全員の心のツッコミ)
「ハムニダを見ろ。突き落とされてもケロっとしてるじゃないか。」
え?ワタクシ!?
「いや~。実家は海のすぐ近くでしたからネ。(←これは本当)
小さい頃は、もうしょっちゅう海に落ちてましたヨ~。」
(↑大ボラ。同級生が牡蛎筏で遊んでて落ちたことはあるが…。)
「え?コレ(←救命胴衣)なしで?」
「当然ですよ。水が怖くて島国日本に住んでられませんヨ。」
(ホラにホラを重ねるワタクシ…。)
ようやっとM美も泣きやんだころ、
ボートは両岸が絶壁の景勝の地に出た。
うほほ~。
そこで出た、おにーさんの提言。
「タイタニックごっこをやりましょう。」
あの、ケイト・ウィンスレットが船首で両手を広げて、
それをディカプリオが後ろから支えている名場面ね。
ん~、何をたくらんでいるのでしょう?
(何かもうオチが見えてきましたが…。)
ローズ役はまだ突き落とされていない美形の中国小姐、
ジャック役はこの旅(?)でヘナチョコだということが判明した後輩Lに決定。
それまで一部の者を除きノラリクラリとしか漕いでいなかった一同も、
この時ばかりはガレー船の漕ぎ手のごとく必死に漕ぐ。
そしてお約束のおにーさんの突き落とし。
どぼ~ん!
中国ローズと韓国ジャックは、仲良く川に流されちゃいました。
(流されてない。流されてない。)
こうして教授2人を除く全員が初夏の太陽が照りつける川に落ち、
みんな揃いも揃ってビチャビチャになったことで、
日中韓・東アジアの一体感を味わったのでありました。
めでたし。めでたし。
《おわり》