2005年03月09日
あんにょ~ん。
極寒の地、韓国からハムニダで~す。
2月25日(金)に無事、卒業式(正式には学位なんたらかんたら)を
おえました。
いや~。韓国の卒業式と言えば、ホレ、あれですわ。
以前にも書きましたが、家族のみならず親戚一同が
押し寄せてごったがえす“あの”卒業式ですわ。
式自体は1時間くらいで、日本のとほぼ同じだと思うんですが、
その前後の写真撮影などのイベントが………。
先輩・後輩たちが
「家族が日本から来ないカワイソーなハムニダのために」
と思ったかどうかは知りませんが、いろいろとしてくれたんですわ。
まずはあのアカデミック・ガウンって言うんでしょうか。
黒いずるずるしたガウンに、紐がぶら下がった四角い帽子。
韓国の卒業式はあれを“必ず”着用しなければならんらしい。
最近は日本の大学でもこのガウンを着用するところが増えてきたらしいが、
ううぅ…。やっぱり、これを着るのはなんかハズカシーよぅ。
どうもコスプレ魂もわきおこらない。
学校から無料で(レンタル)支給されたのだが、
研究室にぶら下げて眺めてみる。
ガウンと角帽以外にも、わけのわからん襟みたいなのがある。
着方がわからん。
やっぱり着ないことにした。
幸い、研究室にはまだ誰もいない。
イマだっ。逃げろっ。
着て来た服(普段着)のまま、卒業式の会場になっている体育館に行く。
あぁ、みんなガウン着て家族と一緒にバシバシ写真撮ってるぅ。
ウチの大学は学生数が多いので、大学と大学院は別の日に式をしたのだが、
それでもやっぱり人は多い。
だって親戚一同まで集まってるんだもん。
雰囲気に圧倒されそうになったので、ケータイで中国小姐を呼び出した。
「ほ、ほらっ、中国小姐も2年後には卒業だから事前に見とこうよっ」と。
呼び出された中国小姐は普段着姿の私を見て開口一番、
「なんでガウンを着ないんですか?」
「日本にはあんなガウンがないからさ。メンドくさくて。わっはっは。」
テキトーにごまかす。
卒業生席(体育館の競技を行う場所)には行かず、
家族席(2階の観客席)で中国小姐と雑談して小1時間を過ごす。
式が終わり、研究室にもどる。
そこには後輩Wがいた。
「あれ?ガウン着ないんですか?」
「日本の卒業式じゃこんなの着ないからいーの。」
と逃げる。
こんなものがあるから、皆からツッコまれるんだ。
あぁ、もうこのガウン、事務所に返しに行こう。
中国小姐をつれて事務所に向かう。
途中で他の研究室に顔を出すと
そこには同じ学科の先輩・後輩が集っていた。
やはり皆、いっせいに
「ガウンもう脱いだの?」
「写真は撮ったのか?」
「はぁ~!?ガウンも着てないし、写真も撮ってないぃ~?」
「そんなの卒業式じゃない~!」
であった。
うひぃ~。
みんなで集中砲火せんでもいいじゃろうに。
そんなやりとりをしているところに、今回、博士過程を修められた
大先輩(おじーちゃん)がガウン着用のまま現れた。
博士のガウンは学校からの無料レンタルはなく、全部自前である。
このじーちゃん博士は昔、軍のおエライさんだったらしく、
その地位にふさわしく高級なガウンをあつらえている。
うひょ~、ガウンなんかベルベットだよ~。
角帽の紐のフサフサなんか、モノが違うよ~。
いや~ん、じーちゃんの超ゴーカな博士ガウン見た後で、
修士ガウン(無料支給)見たらヒンソーに見えるぅ~。
そのじーちゃん博士が去った後、
集中砲火がまた続き、結局、ガウン着ることになった。
きゃっ。
現在博士課程にいるN氏とP氏は、数年前に修士ガウンを着ているので
着方はお手の物である。
この日の私の着衣は、内側から
ババシャツ→厚手のシャツ→厚手のカーディガン→コート
であった。
コートだけ脱いでガウンを着ると、ガウンの袖から
カーディガンのモコモコなのがにょっきり。
N氏とP氏、いっせいに
「おばちゃんじゃないんだからさぁ~!」
「フツー、卒業式にはスーツ着るだろっ!」
ひぃぃ~。ごみんなさいぃ~。
仕方がないのでカーディガンも脱ぐ。
それにしても寒い。
それなのに外に写真撮影に出ようとヤツらは言い出す。
いーじゃん。
研究室の中でちゃちゃっと撮っちゃえばさぁ~。
→ ダメらしい。
まず向かったのは図書館。
ウチの大学(漢陽大学)の図書館は新しくてリッパである。
彼らの論理では、キャンパス中にあるリッパな建物は
一通りまわらなければならないらしい。
いや、キャンパスっちゅーても、
小さな丘全体がキャンパスになってるから広すぎるってば。
“小さな丘”っつーても江波“山”よりもはるかに大きいし。
花束を持たされ、何枚か写真を撮られる。
そこにはガウンを着た卒業生がヒシメイテいるので
名所ともなると順番待ちをしなければならない。
しっかし、さむいよぅ~。
ところであちこちを巡りながら、
P氏がポロっと話題に出したのは“妄言”である。
あぁ、何日か前の新聞に
「駐韓日本大使、妄言」という見出しで
独島(日本名称:竹島)の写真が載ってたなぁ。
メンドくさくてその記事は読んでないけどね。
はいはいはいはい~。
一般的に日本人は竹島に関心ないからね~。
好きにしろや~。
その代わり東海(日本海の韓国名称。韓国人に“日本海”と言うと
ムキーっとされる)は英語で“the Sea of Japan”なのさ~。
韓国以外の辞書にもそう載ってるしぃ~。
悔しかったら世界中の地図を書き換えてみろってんだ。
(↑のぁ~にが“アカデミック”だ。これでは“子供のケンカ”である。)
そんなすったもんだの末、最後は大学の顔である本館に向かう。
この建物はキャンパス内で最も古いリッパな建物である。
だもんだから、ここもガウン着用の卒業生でごったがえしている。
そして本館の前の緑地帯のど真ん中には、大学のシンボルである
ライオン像が鎮座している。
大きさ、高さともに“三越のライオン像”くらいか?
いや、もっと高いかな?
そのライオン像の下は写真撮影中の人たちでごったがえしている。
それを見たN氏、すかさず
「ハムニダ、あれに上れ!」
えぇ~、ハズカシぃよぉ~。もうい~よぉ~。
…と、言いつつ、次の瞬間には上っていたワタクシ。
何かがフッキレたんでしょうか。
ライオン像の上で花束を持ってポーズもしっかりとってしまいました。
もうデジカメの電池も切れそうだし(ホッ)、ガウン返して飯でも食いにいこーぜ、
というところで後輩Lが現れた。
後輩Lは一通りの祝辞を述べたあと、
「ところで先輩、最近の韓国の民意はですねぇ、日本大使の…」
またかよ。独島かよ。竹島かよ。
そんなに欲しけりゃくれてやるっつってんだろ!
とっとと持って行けや!
言っとくが、出るトコ出て(国際司法の場で)争ったら、
日本のほうが断然有利なんだからな!
…と、シラフのうちからできあがっていたハムニダでございました。
今年は国交正常化40周年を記念した『日韓友情の年』なんだってねぇ。
なんだかなぁ…。
薫