■ 選挙でお金儲け?
ハムニダは大学時代に選挙関連のバイトをしたことがあります。
…とは言ってもウグイス嬢などではなく、近所の投票所でのバイトと
某新聞社の世論調査の調査員ですけど。
実は選挙期間というのは短期のバイト口が増えるので、
大学生にとっては結構な稼ぎ時なんですよ。
でも、特定の候補者や政党の事務所でのバイトというのは、
公職選挙法に違反する場合が多いんです。
報酬としてのバイト代が「収賄」とみなされる事もあるからなんですねぇ。
たとえば、バイトが投票依頼の電話を各家庭にかけるのは違法です。
(だから、忙しい時に限ってかかってくる、あの“ウザい”電話は、
ボランティアがかけなければならないのです。)
でも事務所でハガキの宛名書きやお茶汲みをするのはOKです。
しかしバイトが街頭演説などで幟をもったり、ビラやマニフェストを配ったり、
サクラをしたりしたら違法です。
ウグイス嬢は報酬をもらっても構いませんが、これは技能を要するので
学生の即席バイトなんぞにはできません。
このように線引きが曖昧で、ややこしいんですねぇ。
だから私は特定候補者関係のバイトは一切しておりません。
などと、エラそうな事を書いていますが、当時はよくわからんけど
ヤバそうなのでやめとこう、と思った程度でしたが…。
でも、某候補者の事務所や立会演説会でバイトしてた
同級生の○○君や××ちゃん、君らの行為は違法だったのだよ~。
君らは確か、ボランティアなどではなかったよね~。
まぁ、もう時効だけどさ。
■ 参議院選挙の投票制度は?
「あなたの清き一票を」などと選挙ではよく言われますが、
実は“在日”日本人は2票も投票できるんです。
「選挙区」の票と、「比例区」の票です。
ここで、ワザワザ“在日”日本人と書いたのは、ハムニダのような
“在外”日本人には「比例区」の投票しか認められていないからです。
日本に住んでいないんだから、「選挙区」のことはわからんだろー
と言われているようで、ムカつきますが、仕方ありません。
このムカつきについては、また追い追い書いていこうと思います。
さて、まずは「選挙区」です。
参院選の場合、都道府県がそのまま選挙区になっています。
そして、各都道府県の有権者数(≠人口)によって
定数(当選できる人数)が割り当てられています。
広島県選挙区は2人ですね。
その定数2に対して、今回の参院選では4人が立候補しました。
この4人の中から、「もっとも参議院議員にフサワしい」、
あるいは「他の3人よりはマシだ」と思える候補者の名前を
“黄色の”投票用紙に書いて投票して下さい。
その結果、得票数が多い上位の2人が当選者となります。
「選挙区」は単純なので、これで理解できましたね?
でも「比例区」は、ちょ~っと難しいんですねぇ。
ビミョ~に制度が変わりましたし。
何が変わったかと言うと、3年前の参議院選挙から、
“非”拘束名簿式というのが導入されました。
衆議院選挙ではさらに選挙区との重複立候補などヤヤコシイ
制度があるのですが、参議院では認められていません。
ここでは、参議院選挙の制度のみをご説明します。
それまでの制度では、比例区では政党名を書いていたのですが、
今の制度下では、候補者の個人名も書けるようになりました。
もちろん政党名を書いてもかまいません。
たとえば、以下のような政党と候補者名簿があったとしましょう。
(*公平性を保つために架空の政党・候補者名を使っています。
投票する人がいないからって、実際にこう書いちゃダメですよ。)
●平安党(党首:藤原道長(衆議院))
紫式部
在原業平
紀貫之
●幕末党(党首:勝海舟)
近藤勇
坂本竜馬
勝海舟
●江戸党(党首:徳川家康(衆議院))
暴れん坊将軍
井伊直弼
春日局
ここで紀貫之さんを支持したい人は、“白い”投票用紙に
「紀貫之」と書いてもいいし、「平安党」と書いてもよいのです。
ただし、党首の「藤原道長」は衆議院議員なので、
今回の選挙には関係ありません。
「藤原道長」と書くと無効票になります。
しかし、幕末党党首の「勝海舟」は今回の参議院比例区から
立候補しているので、「勝海舟」あるいは「幕末党」を支持する
人は、そのどちらかを書くことができます。
あと、選挙区から立候補した人を書いても無効になります。
たとえば、広島県選挙区から平安党の「平清盛」が立候補して
いたとします。
「平清盛」を支持する人は、選挙区の“黄色い”投票用紙に
「平清盛」と書けばいいのですが、比例区の“白い”投票用紙に
「平清盛」と書いた場合は無効になります。
比例区では「平安党」または「平安党比例区の候補者名」を書くか、
あるいは「平清盛は支持するが、平安党は支持しない」という人は
他の政党名または他の政党の立候補者名を書いてください。
さて、「紀貫之」と書いた場合、「平安党」の票にはなりますが、
「平安党」と書いた場合、「紀貫之」さんの票にはなりません。
これはどういう事かと言うと、平安党と書かれた票40万票、
紫式部30万票、在原業平10万票、紀貫之20万票
と仮定しましょう。
すると平安党が得た得票数は100万票になります。
これに対して幕末党は300万票、江戸党は200万票でした。
そのため当選者数は幕末党3人、江戸党2人、平安党1人
となりました。(実際にはこんなに単純な数値ではないんですが、
今は考えないことにしましょう。)
となると、平安党の3人の候補者の中から誰が当選するか?
それは、個人の得票数が一番多かった「紫式部」さんです。
紀貫之さんは落選しちゃいました。ちゃんちゃん。
はぁ~、ここまで書くのにハムニダ疲れちゃいました。
きっと開票作業をする人は、もっと疲れることでしょう。
じゃあ、なんでこんなヤヤコシイ制度が導入されてしまったんでしょう?
以前のように、政党名だけですればいいのに。
それはですねぇ、ズバリ、芸能人やスポーツ選手など知名度の高い
タレント候補者を、政党は“利用”できるというメリットがあるからです。
上の例でいくと、
幕末党は『新撰組!』ブームに乗って大きく票を伸ばすイキオイですが、
対する江戸党は『暴れん坊将軍』というタレント候補を擁立してきました。
そして知名度の高い「暴れん坊将軍」は1人で150万票稼ぎました。
江戸党と書かれた票は30万、井伊直弼5万、春日局15万としましょう。
すると、江戸党の当選者数は2人ですから、
江戸党内で得票数2位の「春日局」も当選になります。
でも、しかし、ちょっと待った~!!!
「紀貫之」の得票数は20万票でも落選。
「春日局」は15万票でも当選。
「平安党」と書かれた票は40万票、「江戸党」は30万票なのに、
当選者は平安党1人、江戸党2人。
…てな事も起こりうるのです。いまの選挙制度では。
だからタレント候補に投票する人は、
その所属政党についてもちゃんと考えなきゃいけませんよ~。
とは言っても、私はタレント議員の存在を否定はしません。
タレント候補によって、国民が政治に関心を持つようになったり、
政治を身近に感じるきっかけになればいいと思います。
しかしですねぇ、タレント候補者の「政策は後から勉強します」
と言ってパフォーマンスにばかり走る姿勢はいただけません。
タレント候補者をかついだ側の政党も、それなりに候補者を
教育(調教?)しておいてほしいものです。
《クレームもないようなので、選挙にGO!その3へ続く》