最近、日本の報道にあまり接していないのですが、「自民党の次期総裁は福田で決まり」「あとは形式的に地方にまわったりしておこう」「そいや、誰かもう一人いなかったっけ?」という流れになっているという理解でよろしいのでしょうか。
韓国の報道(いや、韓国のニュースもよくは見ていないのですが)では、「福田は靖国神社に参拝しないらしい」「北朝鮮とも対話路線でやっていくらしい」「(安倍や麻生みたいに)現代史に関する妄言はないらしい」という、韓国の嫌いそうな政策はとらなさそうという点で、ある種の歓迎ムードが流れております。
ってなわけで、9月16日のハンギョレに「安倍ってダメダメじゃん」「同じ系統(と韓国側には受け取れる)の麻生もダメじゃん」という記事が出ておりました。
う~ん、“坊ちゃん”で“世襲”という意味なら、福田もそうなんですけどねぇ。それに福田は経済面では「小泉改革は継承していく」って明言しているんでしょ?ま、今までがあまりにもヒドすぎたので、福田がかなり“マシ”に見えるってことなんでしょうけど。
きっと自民党内でも、その“マシ”なのが勝ち馬になっちゃったから「乗っちゃえ」という雰囲気でドドドドっといっちゃったんでしょうけどねぇ。ふう。それでは翻訳記事どうぞ。
[特派員レポート]“坊ちゃん政治家”の同時没落
“似たもの同士の崩壊”安倍・麻生の共通点
首相の家柄出身-自己中心的思考
右傾化の流れに乗った“時代の産物”分析
先週、安倍晋三首相と麻生太郎自民党幹事長が揃って政治的危機に直面した。7.29参議院選挙の惨敗後も退かずに耐え続けた安倍は今月12日に突然、辞任の意思を明らかにし、自ら崩れ落ちた。“ポスト安倍”の有力候補だった麻生も、次期総理からかなり遠のいた。参議院選挙以降のこれらの実績は、お互いの政治的寿命の短縮を促した側面がある。
安倍が辞任の時期を逃し、最悪の総理だという声も出ていることについては、麻生の責任も小さくはない。選挙当日、惨敗が火を見るよりも明らかになっても麻生は安倍を訪れ、「総理職を辞めずに続ける」ことを勧めた。政治的同志である麻生の進言に勇気を得た安倍は、その日のうちに森喜朗元首相など自民党の実力者たちの退陣勧告を拒否した。安倍は8.27党政改編で麻生に党内ナンバー2である幹事長ポストを与え、事実上、自らの後継者として任命した。しかし、麻生の安倍留任工作は裏目に出た。党内最大派閥である町村派の名誉会長、森の怒りを買い、結局、今回の自民党総裁選挙で町村派の支持を得ることができなくなったのだ。
安倍も辞任騒動の過程で、“不本意ながら”麻生の足を引っ張った。辞任発表2日前に麻生にのみ辞意を伝え、次期総裁選挙に備える時間的余裕を与えようとした*。これは逆に反麻生陣営が“麻生包囲網”を構築する絶好の攻撃材料になってしまった。
安倍と麻生の政治的墜落を見ると、“坊ちゃん政治家”の限界が如実にうかがえる。麻生は還暦を越えた年齢にもかかわらず、家では“麻生の坊ちゃん”と呼ばれている。二人とも首相経験者を母方の祖父に持つ名門の出身だ。これらの政治的未熟さは、自己中心的思考と行動によるものとの評価がある。温室の中で育ったせいか、庶民に対する関心や配慮、しぶとい生命力、冷静な判断力など、政治家としての徳目が不足している。森元首相は14日、麻生について「彼も最後の瞬間に締めくくりが弱く、絶好の機会を失ってしまった」と評した。
安倍が理念や観念的スローガンに執着し、衆議院の圧倒的な議席の優位を基盤として法案の強硬処理に専念したのは自己中心的行動の典型だ。“生活優先”というスローガンを打ち立てたベテラン政治家、小沢一郎民主党代表に完敗したのは当然の結果だ。
麻生は日本の普通の政治家とは違い、無遠慮な言動で有名だ。そのため大衆的な人気は高いが、反対に失言や妄言がよくある。言葉が先立つために日本の伝統の“根回し”に弱く、他人に頭を下げることができない。幹事長になった後、政務官まで身内で固め、各派閥の反発を買ったのもその一例だ。彼は地元の邸宅にクレイ射撃場まで備えており、昨年、銀座の会員制クラブと料亭での飲食代に234万円を支払ったと明らかにしたこともある。
“坊ちゃん政治”の浮沈は、“時代の産物”でもある。強硬右派の安倍と麻生は、日本社会の急激な右傾化の流れに乗って急速に権力の前面に登場した。拉致問題を前面に打ち出した安倍は、初当選から13年(5選)で権力の頂点に立った。1979年に初当選した後、初入閣まで17年間周辺を巡っていた麻生は、森・小泉・安倍などの右派内閣で外相・総務相・幹事長など出世街道を疾走した。安倍と麻生は強硬な対北朝鮮観や日本軍慰安婦強制連行の否認など、共通点が多い。
そのような二人が数日の間に一挙に没落したことを見ていると、一つの時代が終わりゆくのではないかという気までしてくる。アジアを重視する対北穏健派だという福田の急浮上は、果たして日本の新しい時代を切り開くのだろうか?
東京/キム・ドヒョン特派員
*この件に関してはマズイと思ったのか、麻生幹事長本人が今さらながら弁解していますね。「他が知っていたからって、それがどうした?」という気がしないでもありませんが。
首相の辞意、麻生幹事長「自分以外にも知っていた人いる」
(9月19日 読売新聞)