死刑廃止法案が国会に何度も上程されながらも、国内外のゴタゴタ(特にここんとこ与党ウリ党が分裂したりとノムさん大変)成立のめどがまったく立たない韓国ですが、それでも死刑は98年以降、執行されていません。
フランスではとっくの昔に死刑を廃止し、最近になって憲法にも死刑廃止を盛り込んだとか(詳しくは村野瀬玲奈さんの
“2007年フランス、「改憲」の瞬間 (死刑廃止)”をご参照ください)。
う~ん。前にもどっかに書いたような気がしますが、韓国の人たちって、“先進国コンプレックス”がものすごく強いように感じるので、「死刑なんて野蛮な制度が残っている国は先進国とは言えないざますよ~」とアピールすれば案外すんなり通るような・・・。甘いか。
ま、日本はそんな韓国のいい反面教師になるかもしれませんね。2月21日のハンギョレ新聞の記事です。どうぞ。
日本、死刑廃止の流れに“逆流”
死刑囚60年ぶりに100人
凶悪犯罪に対する厳罰急増のため
日本が国際的な死刑廃止や減少の流れに逆流している。
日本の最高裁判所は20日、女性6人を放火殺害し、強盗を繰り返した55歳の男の死刑を確定した。この日の判決で日本の死刑囚は3桁の100人になった。日本で死刑囚が3桁になったのは1946年以来初めてだ。
死刑囚が急増したのは、凶悪犯罪を厳しく罰することを求める世論が強まったことと関連している。3年前のある世論調査では、凶悪犯罪に対して死刑を支持するという回答が81%にものぼった。
2004年の国会で犯罪被害者の権利を保護するための基本法、凶悪犯罪厳罰化などを含む改正刑法が通過し、死刑判決が大幅に増加した。日本の法務省の資料によると、1999年から2003年までの死刑判決は毎年2~7人だったが、2004年は2桁の14人に増加した。2005年は11人、2006年は21人と着実に増加する勢いを見せている。昨年末現在で収監中の死刑囚は94人に増え、2ヵ月後に3桁を突破することになった。死刑執行は1993年から昨年まで毎年1~7人に達している。
あるベテラン裁判官は「死刑と無期懲役のボーダーライン上にある事件で、死刑が増えている」「最近の被害者感情の高まりから、(裁判官が)死刑判決を選択しないことについて、以前より重い決断が必要になった」と分析したと『東京新聞』が21日に報道した。凶悪犯罪に死刑ではない無期懲役を下すことが、以前よりも難しくなったということだ。
これに反して日本国内の死刑廃止運動は遅々として進んでいない。以前は法廷で死刑判決が下されれば、傍聴席から「人殺し!」と死刑廃止運動家たちが叫んだりもしたが、そのような状況はなくなったと『朝日新聞』が伝えた。30年前から法廷でその言葉を叫んできたある女性は「死刑判決が月に何度も入るようになり、法廷は機械的に判決を出す場になった」「訴えれば通じるかもしれないという裁判官がいなくなった」と話した。
このような日本とは異なり、世界的には死刑判決や執行による凶悪犯罪の予防効果が疑問視されるようになり、死刑が徐々に減少している。アムネスティ・インターナショナルの資料によると、EUなど88カ国が死刑を廃止し、38の州に死刑制度があるアメリカでも昨年の死刑判決が30年ぶりの最低水準(114件)を記録した。
アムネスティ・インターナショナル日本支部は20日、声明を通じて「国家の制度によって、人の生命を奪うことは許されない」と訴えた。
東京/キム・ドヒョン特派員