死刑執行:4人に 安倍政権で初 1年3カ月ぶり
◇死刑制度の維持したい法務省の強い意思
9月末に就任してからまだ日の浅い長勢甚遠法相が25日、一度に4人もの死刑執行を命じたことは、毎年執行の実績を積み重ねることで、死刑制度の維持を確かなものにしたい法務省の強い意向を反映している。杉浦正健前法相が死刑執行命令書への署名を拒否したまま退任したことから、同省としては今月の執行を逃せば14年ぶりに「死刑執行なし」になるという事情があった。
(毎日新聞 2006年12月25日)
今日、12月25日、クリスマスの日に、日本で、4人の死刑囚に対して、死刑が執行されました。上の記事にもある通り、死刑の執行は「死刑制度の維持」を目的としたものと言えるでしょう。
しかし、よりにもよってクリスマスに執行するとは、なんのための「見せしめ」なんでしょうか。これは安倍内閣の残忍性をよく表した事例だと思います。

ところでコチラ(←)は、韓国でベストセラーになった小説、『私たちの幸せな時間』が原作の映画です。今年の秋に韓国で公開されました。
自殺未遂を繰り返す女が、カトリックのシスターをしている叔母に連れられて刑務所で死刑囚の男と週に1回会うようになり、お互いが「生きている喜び」を知るようになるというストーリーです。しかし、最後には残酷な死刑が執行されてしまいます。
この映画では、死刑が執行される過程や、死刑を執行する拘置所職員の苦悩なども描かれています。実際には韓国では98年の金大中政権発足以来、死刑は執行されていないので、映画のようなことはないハズですが、死刑という制度は未だに残っています。政権が変われば再び執行されるようになるかもしれません。現在、与党議員が中心となり、死刑廃止の法制化に向けて努力しています。
これに対し、日本では聖なるクリスマスの日に死刑が執行されました。
「美しい国、ニッポン」、メリークリスマス・・・。
*日本弁護士連合会が今日の死刑執行に対する声明を出しています。
死刑執行に関する会長声明