ハンギョレ新聞による安倍晋三特集がとっくに終わっていたにもかかわらず、「連載がストップしてるな~?」とボケボケしておりました。こちらは8月23日に掲載されたこの安倍晋三シリーズの最終回、「試験台にのぼる政治力」です。
なんかもー、「出来レースなんでしょ?」「結果はわかりきってんでしょ?」という叫びが聞こえなくもないですが、とりあえず最後まで訳してみました。この記事によると、総裁選が事実上の“不戦勝”では、安倍政権にとって不利とのことです。
そりゃそうですよね。「闘う政治家」を掲げている安部壺三が不戦勝だなんて、まるで“温室育ちのお坊ちゃん”そのものでカッコ悪いですもんね。そりゃNHKをはじめとした日本のメディアは“熾烈な”総裁選演出にやっきになるわけですよね。そうですか。そうですか。それでは自民党総裁選挙を盛り下げるように努力してみましょうかね。はあぁ~。
検証できない首相候補、すでに“守勢”憂慮
強硬外交に批判少なくなく - 経済は門外漢
政策勝負を強調するが実績も特になし
危機管理未知数 - “超短期政権”可能性も
“安倍熱風”はこの10年間続いてきた日本社会の右傾化と密接な関係がある。
長期不況の沼から脱出口を見出せない日本人、特に若い層の累積した不満が、強い指導者に対する熱望につながった。さらに安倍は名門の出身、腐敗とは縁の薄い戦後世代、端正な容貌など、大衆が支持するだけの条件を備えている。2001年の小泉首相の登場を契機に、日本でも大衆への親しみが政治家のもっとも重要な資質になった。自民党内の派閥基盤がほとんどない小泉首相の“長寿”や、50代前半の安倍の政権獲りが可能になった理由がこれだ。
しかし、城を攻めることよりも、守ることの方がはるかに難しい。安倍の持っている条件は、首相になるには使い道が多いが、政局運営には役に立たない。安倍は何よりも熾烈な権力闘争を通じて鍛錬されたり、検証された指導者ではない。危機管理能力や政治手法は未知数だということだ。
安倍が首相候補として浮上したのはわずか4年前だ。小泉によって要職に次々と重用され、昨年10月には官房長官に任命されて“候補者修行”を受けた。閣僚経験は初めてだ。自民党の派閥構図の高い障壁に阻まれ、挫折を味わった後に政権をつかんだ小泉が雑草であるなら、安部は温室の花だ。党内の反対勢力の攻撃に対する抵抗力が充分ではない。大衆的人気が下がれば“超短期政権”で幕を閉じる可能性も残っている。森喜朗前首相は「今は全員が“安倍”と叫ぶが、いつ下がれと言い出すかわからない」と警告した。
小泉政権当初の最大の求心力は、総裁選挙で橋本龍太郎元首相を倒すという異変を演出した“小泉旋風”だった。一方、安倍の集権は不戦勝のようなものだ。新政権発足の推進力確保は容易ではない。彼の参謀たちは「安倍の味気ない勝利は毒になる」として、「当選もしないうちから守りを心配しなければならない」と愚痴をこぼした。
国民を相手に政治を行う安倍は、伝統的派閥の首領のように金と閣僚の椅子を武器にすることはできない。だからと言って小泉の手法を踏襲することも難しい。小泉は絶え間なく抵抗勢力を作り出し、自らを改革の闘士として映し出す“劇場式”イメージ政治を展開して長期政権に成功した。論理型の安倍は単純話法を駆使する小泉型カリスマにはほど遠い。
安倍は政治家を“政局派”と“政策派”に分類し、自らは派閥ではなく政策で勝負すると話している。しかし、可視的な“実績”はあまりない方だ。対北強硬外交が事実上すべてであるが、これも日本人の非理性的な対北敵対意識に依拠している。このため、安倍もまた小泉のような大衆扇動家だという指摘を受けている。
“安倍外交”が実戦で“試運転”をしたのは先月の北朝鮮ミサイル発射のときだった。対北決議案通過を主導した安倍は、右派からは合格点を得た。しかし専門家たちの間では、「アメリカに操られたピエロ」「破局も気にとめない崖っぷち外交」など強硬一辺倒に対する批判が少なくなかった。
理念的色彩が強い外交・安保・改憲や自らが得意分野としている社会保障以外の分野では、安倍の脆弱性が目に付く。特に経済分野は門外漢に近い。最大の懸案である健全財政のための消費税引き上げについて彼は「税出削減が優先」という言葉でかわすのみだ。
安倍は小さな政府を志向する小泉式新自由主義改革を全面的に支持してきた。両極化の深化という批判が押し寄せると、“再挑戦が可能な社会”というキャッチフレーズを掲げて軌道修正を試み始めたが、具体的方法は打ち出せずにいる。郵政民営化をめぐる激烈な内部闘争にも見られたように、小泉式改革の持続をめぐる党内の葛藤は政権の存立を脅かす“マグマ”のようなものだ。今月1日に亡くなった安倍の叔父、西村正雄元日本興業銀行頭取は、安倍の歴史認識と市場原理主義的な性向を憂慮しながら「安倍を本当に後ろから支えてくれる人が周りには見えない」と残念がったという。
≪おわり≫
東京/パク・ジュンオン特派員