韓国の保守系三大新聞社の一つ、東亜日報が発行している月刊誌、『新東亜』9月号に掲載された「大解剖、統一協会王国」という記事に
ムキーッとなった統一協会信者が8月22日に大挙して東亜日報本社に押し入り、乱暴狼藉をはたらいたうえに、8時間半にわたって本社ビルを占拠したという事件が発生しました。
この事件の大まかな内容は、朝鮮日報日本語版(なぜか東亜日報の日本語版にはこのニュースが翻訳されていません)の「
統一教会信者700人、新東亜社屋で座り込み」という記事をご覧ください。
朝鮮日報の記事には載っていませんが、東亜日報(韓国語版)の記事によると、押し入った信者がパソコンを破壊したり、信者の示威行為を撮影していたカメラマンにケガを負わせたり、ということがあった模様です。

月刊『新東亜』9月号に掲載された統一協会関連記事に不満を抱き、22日午前、ソウル西大門区忠正路3街にある東亜日報忠正路本社に乱入した統一協会信者は、ビル5階の新東亜の事務所を占拠した後、コンピューター2台を破壊し、該当記事を書いた記者の取材資料を持ち去った(写真上)。忠正路本社ビルの1階ロビーを占拠している300人余りの統一協会信者。ビルの地下駐車場に事前に入り込んでいた十数名が1階の大型ガラス3枚を消火器で割ったのを合図に、一斉にビルの中に押し寄せてきた。(写真・記事/
東亜日報・韓国語版8月23日社会面より引用)
ちなみに、テレビニュースの映像は
コチラ。「동영상보기」をクリックしてください。(YTNニュースより)
統一協会は東亜日報に対し、「△すべての新東亜の広告削除、△インターネット上の新東亜の広告削除、△新東亜9月号の全回収、△担当記者の解雇、△編集長の解雇、△五大日刊紙への謝罪文掲載」などを要求したんだそうです。
この事件に対し、東亜日報は今日の社説で次のようなことを書きました。(この社説は日本語版にも翻訳されています。
[社説]統一教の本社乱入、国民の知る権利に対するテロ
(東亜日報日本語版/2006年8月24日)
*それにしても、ちょっとこの日本語版の翻訳はこなれていませんね。しかも、韓国では統一協会のことを“統一教”と言いますが、それをそのまま表記しています。これでは統一協会とはまた別の宗教なのかと思う人もいるでしょうね。もしかしてわざとなんですかね。

んで、統一協会信者がこんな事件を引き起こすほど、月刊『新東亜』の記事にはスゴイことが書いてあるのかと思い、昨日は会社帰りに「
うんこなほんや」に立ち寄り、『新東亜』を読んでみました。(→この表紙。う、キモイ…。)
記事内容は、▲統一協会が京畿道加平郡の張洛山に建設した“天正宮”という超豪華な宮殿、▲教祖文鮮明のスキャンダラスな私生活、▲脱会信者による告発、▲世界平和統一家庭連合会長のインタビュー(教団弁護)となっており、特に目新しい情報は載っていませんでした。(ま、“ツボのタブー”の範囲内かな)
これよりもキリスト教系のメディア(これまでに引用したクリスチャン・トゥデイとか、現代宗教とか)の方が、統一協会のカルト性をちゃんと追及した報じ方をしているように思われます。
ま、統一協会側は、その記事内容よりも、東亜日報という大手メディアが教団に批判的な記事を書いたということに
ムキーッとなっちゃったようですね。
*参考
宗教問題研究会