お待たせしました(誰も待っていないか?)。
ハンギョレ新聞による安倍晋三特集の第二弾です。
(全部で第五弾まであるようなので、おつきあいください)
なんかもう、小泉のブッシュに対するシッポの振り具合が“日本人として”というよりも、“人間として”恥ずかしくなってきた今日この頃(民族系右翼はなぜ黙っているんだろう?)ですが、
統一協会への祝電ネタやホニャララ団との癒着、その他ヘンテコなカルト信者であるとかいうスキャンダルをすべてもみ消し、 次期総裁の最有力候補として浮上した安倍壺三クンのアメリカとの関係はどうなんだろうという8月17日の記事です。
それではどうぞ。
ネオコンに瓜二つの“理念的親米派”
小泉よりも憂慮される“危険人物1号”
ブッシュ政権、愛情格別-日米ホットラインの役割
“常時武力支援可能な”アメリカとの対等同盟を主張
[ポスト小泉の安倍を集中研究]
「史上最高の蜜月」。小泉純一郎首相の執権期間の日米関係を称える言葉だ。「世界の中の日米同盟」を打ちたて、戦後初めて陸上自衛隊をイラクに送った*。米軍と自衛隊の一体化に向かう在日米軍再編の糸口もつかんだ。6月に開かれた13回目の日米首脳会談で、“新世紀同盟”共同宣言も発表した。小泉は「アメリカとの関係さえ良ければいい」というような主張すら躊躇はしない。
しかし、このようなベタベタの同盟関係は、二人の首脳の個人的な親しさに起因している。両政府間では葛藤が消えることはなく、論争が多い争点は次期政府に持ち越された。自衛隊の活動範囲や任務の拡大も、アメリカの期待値からはまだ程遠い段階だ。
小泉は自衛隊派遣と関連し、イラクが“非戦闘地域”だという主張を繰り返した。違憲だという非難を避けるためだ。安倍晋三官房長官は、このような小泉の態度を堂々としていないと皮肉った**。彼は「イラクが危険ではないと主張するのではなく、イラクに自由民主主義国家をつくろうという国際社会の努力に賛同するという大義を強調しなければならない」と叫んだ。“力による自由と民主主義の拡散”という論理だ。これはアメリカの新保守勢力(ネオコン)と瓜二つだ。エルビス・プレスリーの熱烈なファンである小泉が“感性的親米派”だとすれば、安倍は“理念的親米派”と言える。二人とも親米一辺倒だが、安倍がかなり理念的・論理的***だという点が一層憂慮される。
ブッシュ行政府が安倍に注いだ愛情は格別だ。アメリカ側はずいぶん前から親米派である安倍にボールを渡してきた。2004年4月の安倍の訪米時、米政府の主要閣僚は快く彼との会談に応じた。国家元首ではないにも関わらず、ホワイトハウスで記者会見をするという破格の待遇も受けた。安倍が次期総理の有力候補だという点以外にも、ブッシュ行政府ともっとも波長が合う日本の政治家だという点が作用したのだろう。先月、北朝鮮のミサイル発射を前後して日米が“ペタペタの共助”を打ち出した際の日本側窓口は安倍であった。安倍とスティーブン・ハドリー国家安保補佐官の携帯電話が“ホットライン”の役割を果たした。日本外務省の関係者は「(日米間で)これほど緊密な協議が進められたのは初めて」だと驚いた表情を見せた。
安倍は他の右派と同じく、日米同盟強化論者だ。彼は「核抑止力と極東地域の安定を考慮すれば、アメリカとの同盟は不可欠」、「アメリカの国際社会への影響力と経済力、最強の軍事力を考慮すれば、日米同盟が最善の選択」だと話した。
彼の同盟強化論でもっとも注目すべき点は、アメリカとの“対等な同盟”だ。今のように日本が一方的にアメリカの保護を受けるのではなく、アメリカが必要とする際はいつでも日本も武力支援できる双務体制を備えなければならないという主張だ。このためには集団的自衛権の行使が必須だというのが彼の持論だ。彼は1960年に母方の祖父である岸信介元首相が「永続的な日米安保条約を対等な関係にするために条約を改正した」と主張し、自らの同盟論が岸の影響を強く受けたことを浮き彫りにした。
安倍が構想する同盟強化は日本の軍事的能力と役割の拡大につながる。安倍は自衛隊の海外派兵をいつでも可能にする“恒久的派遣法”制定について、「機動的国際貢献が可能」であると、積極的に支持している。世界各地の米軍の軍事作戦に自衛隊が後方支援することを期待するアメリカの利害ともぴったりと符合する。このような発想は、自衛隊が戦争に巻き込まれる可能性を極大化する。安倍が日本の平和勢力から“危険人物1号”****と呼ばれる理由がこれだ。
安倍は対等な関係を強調するが、アメリカが一方的に暴走したときに“苦言”を言えるかは疑わしい。ある軍事専門家は、「小泉首相はアメリカに全面的に協調しながらも、独断的な軍事行動の自制を求めてきた」*****と話したが、「安倍にそのような思考や根性があると期待するのは無理」だろうと予測した。
東京/パク・ジュンオン特派員
*航空自衛隊は今でもイラクに残っています。それどころか任務の範囲や勝つ同地域はさらに拡大しています。イラクは“非戦闘地域”でもないし、バグダッドの“飛行場は非戦闘地域”でもありません。あぁ、この記事とは直接関係ないことですけど、ついツッコんでしまいました。
**「いや、皮肉でもなんでもないじゃん。皮肉とはもっとウィットの効いたものでなければならないのに、安倍の本心が出ただけだろう」と思ったのですが、原文がこうなっているのでそのまま訳しました。
***だからぁ~。安倍のどこが論理的なんだよぉ~。これも原文がこうなってるからそのまま訳しただけなんですけど、ここは“情念的”とか“怨念的”とかに変えたいィ~。
****にゃははは。“危険人物1号”って誰が言ってるんですか?え?私は(まだ)言っていませんよ。
*****小泉首相がそのような行動をしたという記憶がまったくありません。ご存知の方はご教授ください。ところで、この「ある軍事専門家」って誰のことなんでしょう?