これは単なる個人の備忘録的に翻訳しておいたストックを載せたものです。ストックがいっぱいになってきたので…。
まぁ、
安倍壺三ヨイショ特集をした週刊朝鮮(=朝鮮日報)も、たまにはおもしろい記事を書くんだなと。
金正日に感謝する日本(週刊朝鮮/2006年7月24日1914号)
ミサイル発射以降、先制攻撃論をチラつかせて軍備増強の機会に
「敵が私の頭上に爆弾を落とそうとしている。このようなときにどうするのか?当然、私がやられる前に敵を倒さなければならない」。もしイスラエルがこのよ うなことを言ったとすれば、それほど興奮はしないだろう。「当然の自衛権ではないか?」この程度に流しておくだろう。しかし、このような話をしたのが日本で、敵が北朝鮮なら話が違ってくる。
舞台が朝鮮半島だからという理由だけではない。アメリカが2002年に先制攻撃を容認する国家防衛保障戦略を策定したとき、我々はこのように興奮はしなかった。我々が興奮しているのは先制攻撃云々している当事者がまさに「軽率きわまりない決定を下した経歴」を持つ日本であるためだ。日中戦争、太平洋戦争で日本は 意図的であろうとなかろうと、誤った判断でアジアを火の海にした経験がある。
それでは日本は座してやられろということなのか?そうではない。日本政府はすでに「座してやられない」という見解を以前から表してきた。いわゆる「敵基地攻撃論」だ。日本は敵が打ち上げたミサイルが日本に落ちたときに敵を攻撃することができる。「ほかの手段がなく、必要最小限の実力行使であれば憲法上、敵基地を攻撃することは可能」だというのが日本政府の一貫した見解だ。この程度ならば戦後日本の防衛政策の根幹である、“専守防衛”の原則に反さないということだ。
もちろん敵のミサイル発射が差し迫っていなければ、敵基地を攻撃することはできない。問題は発射が差し迫ったとき、すなわち爆弾を落とそうとする時点だ。日本政府の見解は次の通りだ。①国際情勢、②相手国の明確な意図、③攻撃の手段などを基に(敵が)攻撃に着手したと判断できる場合には、敵基地を攻撃できるというものだ。ややこしい条件がつけられてはいるが、政府見解としては一撃を受ける前に敵を攻撃できる先制攻撃を可能にしているわけだ。
日本のメディアは先制攻撃の波紋を「古びていたが新しい論議」だと表現している。ずいぶん前に提起された問題だが、提起するごとに封印され、再び封印される過程を繰り返しているからだ。このような過程を経ながら日本の敵基地攻撃論は攻撃が可能な場合の件数を少しずつ増やしてきた。
敵基地攻撃論が初めて提起されたのは1956年だ。鳩山一郎総理(当時)は国会答弁で「日本に対する誘導弾などによる攻撃が敢行された場合、座して自滅しなければならないというのが憲法の趣旨だとは到底思えない」と主張した。この発言を土台に日本政府は「確実な侵害が発生した場合、必要最小限の防衛として、敵の誘導弾基地を攻撃することは法理的に自衛の範囲内に該当する」ということを統一見解としてきた。しかし、もっとも重要な概念である「確実な侵害」につ いては具体的な定義を出さずに封印した。
1970年代には敵基地攻撃の着手時点について「武力攻撃の憂慮があると判断する時期でもなく、武力攻撃による現実的な侵害が発生した以後でもない」とい うハッキリしない言葉でふたたび立場をあいまいにした。より明らかな定義は2003年当時、防衛庁長官であった石破茂の発言だ。彼は「北朝鮮がミサイルに 燃料を注入する時点を日本に対する武力攻撃の着手時点として見なければならない」と主張した。もちろん今回の北朝鮮のミサイル発射の場合のように、燃料を 注入したから無条件に敵基地を攻撃するという意味ではなく、明確な日本を攻撃するという意図が把握できた場合を言っている。しかし北朝鮮が公式に日本に対して宣戦布告をしない以上、日本が把握した北朝鮮の攻撃意図は恣意的な解釈にすぎない。
最近、日本の閣僚の発言は1956年の鳩山発言の延長線上にある。新しい宣言ではないということだ。よく聞いてみると、このような点も同じである。「北朝鮮のミサイル基地を攻撃することは憲法の自衛権の範囲内にあるという見解があるため、論議をより深める必要がある。日本の国民と国土、国家を守るために何 をしなければならないのかの観点から検討、研究する必要がある」(7月10日安倍晋三官房長官)。「独立国家として一定の枠内で最低限のものを持たなければならないという考えは当然だ」)7月9日額賀福四郎防衛庁長官)、「(核が)ミサイルに装備され、日本に向けられていれば、被害が出るまで何もしないとい うことはできない」(7月9日麻生太郎外相)などの発言は、今まで日本政府が標榜した「敵基地攻撃論」の範囲内にあることは明らかだ。
今回のミサイル波動に対する日本の動きを先導する安倍官房長官は、自ら7月12日の記者会見で「誰も先制攻撃だとは言っていない」と主張した。「(ただし)わが国に誘導弾などによる攻撃が行われた場合に…誘導弾などの基地を攻撃することは憲法上、自衛権の範囲内にある」ということだ。もっとも大きな問題である、日本が攻撃できるという「敵の攻撃着手時点」については「現実的に着手を判断することはきわめて難しい。(敵基地を攻撃できる時点は)ミサイルが着弾され、被害が発生した後の可能性が高い」と言った。日本政府の攻撃時点を明確に定義するものではないが、鳩山内閣が言った「確実な侵害」をより具体的に表現したものだ。解釈によれば石破長官の2003年の“燃料注入時点”発言よりもかなり攻撃の可能性を減らした内容として受け取ることもできる。
しかし、さらに注目すべきは「独立国家として一定の枠内で最低限のものを持たなければならないという考えは当然だ」という今回の額賀長官の発言だ。「最低限のもの」とはもちろん攻撃能力を言う。日本は政府見解で敵基地攻撃の可能性を開いていたが、実際に敵基地を攻撃できる能力を持つことはできないという のが一般的な評価だ。1969年、アメリカのニクソン政権当時に鼎立した日米安保体制の基本骨格は、(日本列島で)日本に盾の役割を、アメリカに槍の役割を与えている。「敵基地攻撃論」に対する日本国内の反対世論も日本が攻撃能力を持つ道をふさいだ。
1971年に日本がアメリカ製戦闘機F4を導入したとき、わざわざ空中給油口を封じて配置したほどだ。「空中給油能力を備えれば、他の国への連続飛行が可能になり、“専守防衛”に反する」という当時の野党である社会党議員の反発のためだった。2004年、日本政府が射程距離1250~2500㎞のミサイル開発計画をたてたときも野党の反対により予算が全額削減され、計画が保留になった。
朝鮮日報のユ・ヨンウォン軍事専門記者によると、日本が戦闘機で攻撃することも非常に困難だ。日本の主力戦闘機であるF15Jは空対空の戦闘を主としており、地上攻撃能力は極めて低い。こういった点が韓国空軍のF15Kとは違う。爆弾や空対地ミサイルで攻撃できる戦闘機は最近開発された最新型F2支援戦闘機や旧型F1支援戦闘機、旧型F4EJ戦闘機くらいだが、F2が隠岐から離陸したとしても、持続的に高い高度で飛行しなければならないため、実際の攻撃には適用することが難しい。日本が1994年にシュミレーションした結果、旧型F1支援戦闘機とF4EJが北朝鮮を爆撃した後、帰還する前に燃料不足で海に墜落することが明らかになった。
従って、日本政府が現在、実際に求めているのは先制攻撃論を明確にして国際的反発を買うことではなく、先制攻撃を敢行できる軍事能力を備える道を開くことだ。「敵基地攻撃は日本国憲法の専守防衛概念に反しない」という日本政府の見解を見れば、日本がすぐに敵基地攻撃能力を備えてもおかしくない状況であることがわかる。この機会に軍備拡張の実質的障害だった世論を動かすことが日本政府の計算だと見ることができる。
実際に日本では朝日新聞、毎日新聞などを除けば今回の政府閣僚の“敵基地攻撃論”に対する国民世論の批判が強いわけではない。野党である民主党の小沢一郎代表が「まだ攻撃にあったわけでもない状況で敵の基地を攻撃することはできない」として否定的な立場を表した。自民党と連立与党を運営している公明党も「実際に攻撃をする場合、全面戦争になる」として反対の立場を明らかにしたが、北朝鮮に対する日本の強攻機運を押さえるほどにはなっていない。むしろ、韓国政府の反発が日本国内にフィードバックし、日本政府の反応を引きずり出す構図になっている。
我々は鈍感であるが、北朝鮮のミサイルに対する日本国民の恐怖はあまりにも大きい。今回打ち上げられた北朝鮮のミサイルはロシア近海に落ちたにもかかわらず、日本国民の87%が「不安を感じる」と答えた(共同通信7月7、8日世論調査)。「とても不安だ」という答えは45%に達した。戦争を経験した老年層であるほど、不安をより感じていることが明らかになった。日本で戦争を嫌悪し、再軍備に反対する中心階層が戦争世代だという事実は、北朝鮮のミサイルが日本国民の世論の流れにかなり大きな影響を与えていることを示している。国民の大多数が、座して攻撃されはしないという先制攻撃と、攻撃能力の増強を支持する局面が展開されかねないということだ。
実際に北朝鮮の挑発は、常に日本の軍備拡張につながっている。1993年5月の北朝鮮のノドンミサイルが日本の能登半島近海に落ちて以降、「弾道ミサイルに対処できる能力を備える必要がある」という世論が広がった。このような世論は1996年の日米ミサイル防衛(MD)情報提供の了承覚書締結、1997年の日米防衛協力のための指針(ガイドライン)改正に最適の環境を提供した。1998年、テポドン1号が日本の上空を通過し、太平洋に落ちた事件もMDシステム導入を現実的な問題に浮上させた。日本政府は情報収集衛星の導入を決定し、2000億円を超える費用を費やして結局2003年に独自の情報衛星2機を発射した。1999年にはアメリカと共に改良型MDの共同研究を始めた。当時も北朝鮮に対する先制攻撃世論が高まっており、当時の防衛庁長官が「日本の被害が発生しなくても、自衛権発動が可能だ」と発言した。後日、防衛庁長官に就任した中谷元議員は、「日本にやってきた50年ぶりの絶好のチャンス」だと言った。7月8日の麻生外相の「金正日に感謝」発言も、同じ脈絡だ。
東京=ソン・ウジョン朝鮮日報特派員