人体実験で悪名高い731部隊が連合国側の占領軍(一般的には進駐軍と言い換えられていますが、あえて占領軍と書いておきます)を相手に細菌戦を展開する計画を立てていたというニュースが先月の21日に共同通信から報じられました。
細菌戦が“本土で”実際に行われていたら、いったいどのような事態が起こったのか。考えただけでもゾッとしますが、結局、あの人たちは国民を守るために戦っていたのではなかったという事実がはっきりとわかります。(ま、サイパンだの沖縄戦だの、開拓団をほっぽり出して逃げ出した関東軍だのを見てもわかりますが)
これは大ニュースだと思いますが、このニュースが報じられたのは、そう、そうです。TBSが731部隊の映像を扱った特集を放送し、その中で安倍晋三官房長官の写真パネルが数秒間映っていた、あの7月21日なのです。
なんだかなぁ~。
TBSもワザとやってないか?
タイミング良すぎ。
(うんもう、おマヌケさん)
ってなわけなので、韓国の聯合ニュースで報じられていたのをほじくり返して翻訳してみました。それではどうぞ。
731部隊、終戦直後米軍を対象に細菌戦検討
生体実験で悪名高い旧日本軍731部隊長の石井四郎(陸軍中将)は、第二次世界大戦の終戦直後、日本に進駐する米軍などの連合軍を細菌で攻撃する方法を検討していたことが明らかになったと共同通信が21日報道した。
このような事実は石井が終戦の翌日である1945年8月16日から26日までの状況を大学ノートに整理した「1945-8-16終戦当時メモ」で明らかにされた。
関東軍防疫給水部が正式名称である731部隊が第二次世界大戦の終戦直前に特攻隊を利用して細菌攻撃を準備していた事実はすでに知られていたが、終戦後にも部隊長が攻撃可能性を検討した事実が確認されたのは初めてだ。
メモの記録はとても短編的であり、攻撃計画が実際にどこまで具体化していたのかは明らかになっていない。メモには731部隊の戦後処理方針と処理の経緯が記録されている。
「なるべく多く内地(日本)に輸送する方針。マルタ(丸太という意味だが、ここでは生体実験に使われた捕虜などを指す)-PXは先に」という記録も見られる。PXはペストに汚染された蚤を意味する。
また、「相模湾に25日米軍上陸、全国にばらまく」、「帰帆船ならば人員器材が輸送出来る見込」と書かれ、細菌兵器を利用した攻撃の可能性に言及しながら、米軍が進駐する前に細菌攻撃に必要な人員と機材の輸送を検討した経緯も書かれている。
しかし、米軍先発隊が日本に到着する2日前の8月26日に梅津美次郎陸軍参謀総長や河辺虎四郎参謀次長が「犬死にはやめよ」、「静かに時を待て」と指示したことになっており、陸軍首脳部が計画をやめさせたとされている。
このメモは在米日本人のジャーナリストが石井部隊軍属出身者から入手し、公開した。731部隊の研究家である常石敬一教授(神奈川大学)は、“マルタ”の運送に関連する記録について捕虜を生きたまま日本に送る考えをもっていた可能性よりも、生体実験をしながら作った病理標本を指す可能性があると話した。
◇731部隊=旧日本軍が1936年に設立した部隊。ペスト、コレラなどの細菌兵器の開発を担当した。正式名称は関東軍防疫給水部で、中国東北部のハルピン公害に本部を置いた。“マルタ”と呼ばれる中国人とロシア人捕虜3000名を対象に生体実験を実施したことで知られている。中国湖南省などでペストに汚染された蚤を空中散布するなど細菌戦を実際に実行した。終戦が差し迫ると施設のほとんどを破壊し、証拠を隠滅した。戦後、部隊長などを免責する条件として米軍に研究資料を渡した。 イ・ヘヨン特派員(東京=聯合ニュース)