今日もハンギョレ新聞の社説を読んでみます。
韓国の新聞にはたいてい社説が3個くらい載っていますが、ネットで日本語版をやっている3大紙はそのうちの一つしか翻訳掲載していません。まぁ、国内的なニュースを社説で扱うことが多いので、日本の読者の興味を引くようなのを選択してやっているんでしょうけどね。
で、ここのところの韓国メディアを騒がしているニュースと言えば、北朝鮮のミサイルよりも米韓FTA交渉の方が大きいような気がします。各地でそれに反対するデモとか署名運動とかやってるみたいだし、国民の生活に直結することだからか、関心はそちらに行っているみたいですね。
で、それを翻訳しようかなとも思いましたが、それはまた今度…。やっぱり北朝鮮のミサイル問題に関する社説をやっちゃいましょう。
外交的解決が最善の「オプション」だ
北朝鮮のミサイル試験発射強行により醸成された朝鮮半島の緊張状態が急展開をしている。特に今週はじめに表決に付されると見られる国連安全保障理事会の対北制裁決議案は、一歩間違えば北朝鮮と日米間の極端な対決姿勢を招く可能性が高い。制裁決議案の通過は戦争行為であると反発する北側が追加的なミサイル発射など挑発的な行動に出る要素が大きいためだ。この決議案を主導する日本と、緩和しようとしている中国の対立も長期的に北東アジアの緊張を招く新しい変数だ。一言で言えば、朝鮮半島および北東アジアの平和と安定が危機的局面に置かれたということだ。
このような時ほど関連当事国の冷静な状況判断と落ち着いた対応が求められる。感情的な対応は、破局的な破壊を招きかねない。従って、判断基準は北東アジア地域の緊張解消と平和共存、ひいては危機の根源である北朝鮮の核およびミサイル問題の解決に何が役立つのかでなければならない。このような面で何より優先しなければならないのは外交的な解決方法であるだろう。封鎖と圧迫からは北朝鮮を開放された国際社会の一員として引き出すことはできないという事実をこれまでの経験は証明している。
幸い、アメリカと北朝鮮をはじめとした当事国が対話を通じた解決の意志を強調しているという点だ。クリストファー・ヒル米国務省次官補は昨日、イ・ジョンソク統一長官と会談した席で「北朝鮮が6カ国協議に復帰すればすべての問題を論議できる。北朝鮮とは二カ国会談をする準備がある」と話した。彼は北側が要求している金融制裁問題もその会談の席で協議することを明らかにした。
次は北側が応答する番だ。ハン・ソンリョル国連次席大使は数日前、『ハンギョレ』とのインタビューで「マカオの金づる*を放せば6カ国協議に復帰の可能性がある」と明らかにしたことがある。北朝鮮の公式的な見解ではないが、北朝鮮指導部の内心が伺える。しかし、アメリカ側でこの問題に対して柔軟な態度を見せるほど、北朝鮮も前提条件なく対話の場に出なければならない。特に国際的な孤立を脱皮して信頼されるためには6カ国協議に復帰する決断を下さなければならない。必要ならば中国側が提示する非公式6カ国協議も可能であろう。明日から開かれる南北閣僚級会談も北朝鮮の対話復帰を説得する契機となるかもしれない。
と、ハンギョレ新聞では外交的解決を全面に打ち出しています。
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最後のパラグラフの「マカオの金づる」って何を意味するのかわからないのですが、とりあえずそのまま訳しました。ご存知の方はお知らせください。