誰か私のことを知りませんか?
『ハンギョレ21』[2009.07.24第770号]
[報道その後]「2009ファースト・トリップ・ホーム」参加の養子40人が家族・知人の連絡を待っています
▣イム・ジソン
7月15日、幼い頃に養子に出されたジェニファー・グォン・トップスが中央入養情報院を訪れた。1976年にアメリカに養子として渡った彼女は、ルーツを求めて最近、韓国を訪れた。最初に行った場所は、自分を養子に送った東方社会福祉会だった。そこでは、彼女がかつて江原道原州(ウォンジュ)にあるソンエ院という孤児院に捨てられたということがわかった。原州に行ったが、ソンエ院の記録には彼女の名前がなかった。そして最後に訪れた場所が中央入養情報院だった。
»中央入養情報院の開院式場を訪れ、自分のルーツ探しの支援を求めたグォン・ヨンミさん(左側)。実の両親に関する情報がまったくわからない彼女のために、養子縁組当事の写真(写真・中央)を掲載する。写真『ハンギョレ21』リュ・ウジョン記者
この日はちょうど、中央入養情報院の開院式がある日だった。開院式の準備にばかり没頭していた職員たちは、トップスの登場に当惑した。ある職員が「養子検索システム」を開いてトップスの韓国名である「グォン・ヨンミ」と入力した。しかし検索される情報は、彼女の名前、性別、生年月日、処置(養子縁組)日時、縁組先国家、受入機関、養親の名前だけだった。すでにトップスが知っている情報だった。彼女の本当の両親や、捨てられた当事の状況に関する情報はなかった。職員は仕方なく東方社会福祉会に電話をかけただけだった。情報のない情報員では、何の支援も受けることができなかった。
情報を得られない中央入養情報院
業務はお粗末だが、開院式は豪華だった。この日、ソウル貞洞のフランチェスコ教育会館で開かれた行事には、ホルト児童福祉会のモリー・ホルト理事長をはじめ東方社会福祉会、大韓社会福祉会、韓国社会福祉会など4大入養機関が「貴賓」として参列した。ユ・ヨンハク保健福祉家族部次官は、祝辞の中で「すべて信頼して支持を惜しまなかった4大入養機関に感謝する」、「政府は中央入養情報院が成功するようにあらゆる支援をする」と言った。
『ハンギョレ21』は760号の表紙物語「
賢い韓国人の子供が2169万ウォン」で「市場」に委ねられた海外養子縁組を批判し、養子縁組を管掌する「中央国家機関」設置の必要性を強調した。中央国家機関の設置は、「国家間の養子縁組に関するハーグ協約」の核心内容でもある。当事、記事で紹介した入養特例法の改正案も中央国家機関の設置を主な内容としていた。しかし入養特例法の改正案は、依然として保健福祉家族部内部の論議にとどまっている。
このような状況で設立された中央入養情報院は、宙に浮いた状態だ。今年の初め、保健福祉家族部は中央入養情報院の設立に7億2100万ウォンの予算を配分し、100%保健福祉家族部の予算で中央入養情報院を設立した。しかし4大入養機関のすべてが、実の両親に関する情報を引き渡していない。韓国社会福祉会のイ・ミョンリム会長は、「入養機関の立場では、まだ中央入養情報院に養子縁組関連の情報をすべて引き渡すことはできない状況」だと語った。このまま状態では、中央入養情報院が主要業務目標として打ち立てた「養子縁組情報統合管理システム」の構築が不可能だ。法的根拠がないため、入養機関がまず引き渡さない限り、中央入養情報院が情報提供を強制することもできない。
»2009ファースト・トリップ・ホーム(First Trip Home)の参加者名簿
このような状況で、全般的な養子縁組政策の調律など、中央国家機関としての役目は期待することも難しいという指摘だ。中央入養情報院の関係者は、「入養特例法の改正もされていない状態で開院を急ぎすぎた感が否めない」と話した。こうなると中央入養情報院は、その前身である入養情報センターとも大した違いがない。入養情報センターは、4大入養機関が保健福祉家族部と共同出資して設立されたが、統合情報の構築から行き詰まり、形式的な機構に過ぎなかった。
それならばトップスはどうすればいいのだろうか?養子のルーツ探しは非常に困難だ。すぐにアメリカへ帰らなければならない彼らのために、写真を掲載しよう。7月31日にルーツ探しのために1週間ほど韓国を訪れる40人の養子情報も一緒に掲載する。海外養子連帯(GOAL)が主催する「2009ファースト・トリップ・ホーム(First Trip Home)」の参加者たちだ。写真の養子を知っている人たちの連絡を待つ。電話02-325-6585、Eメールservices@goal.or.kr
イム・ジソン記者