元副総理の
後藤田正晴さんが19日に亡くなっておられた。
私の中では“けっこう好きな政治家”のカテゴリーに入る人なので、このニュースが21日に明らかになった時はかなりズーンと重くのしかかるものがあった。
思い返せば、小学校の時、ニュースで語られる後藤田さんの肩書きは、「かんぼうちょうかん」だった。
当時、「かんぼうちょうかん=自衛隊(防衛庁)関係のエライ人」などとカン違いしていたので、きっとおっかない人なんだろうなーと思っていた。
(いやー、今となっては赤面ものの勘違いですが、実際、現役時代の後藤田さんの顔は“コワイじーちゃん”顔だったし、“ゴトーダ!”ってヒビキがコワクありませんか?)
でもそんなコワモテのイメージに反して後藤田さんは実はハト派で、中曽根内閣が右に流れるのを食い止めていた。
有名なのはアメリカからの強い要請で海上自衛隊の掃海艇を中東に派遣するか否かの問題が浮上した時、中曽根首相も外務省もノリ気だったのに、後藤田さんは署名を拒否して断固反対し、派遣を断念させたというエピソード(派遣には閣僚全員の署名が必要だった)。まぁ、この話は後藤田さんの訃報と共に新聞などで語られていると思いますが。
あぁ、ずるずると自衛隊がイラクに駐留させられている2005年現在とは隔世の感がありますなぁ。
それに日中国交正常化を実現した田中角栄の派閥の重鎮だったことから(実際に政界入りされたのは国交正常化後だったけど)、中国政府内にも広い人脈を持ち、中国との関係がぎくしゃくした時には中国側の要人と会って「まー、まー、まー…」と事態を沈静化させる役割を果たしていた。
今の政界にいます?こんな方。
政界引退後も官僚機構の問題、憲法改正問題、自衛隊の海外派遣問題、靖国問題などで苦言を重ねていた。
その論旨は「カミソリ」の異名に違わず切れ味鋭いものであった。
かっちょいー。
なんでこんな人が引退したじーちゃんなんだよーと思った。
後藤田さんがこの世を去られたことで、なんだか巨大な安全弁が“ボコ”っとなくなったような気がする。
日本の政治がどんどん画一的でつまんなくなっていくなぁ。
*蛇足*
後藤田さんの甥の息子とかいう人が、後藤田さんと似たような名前で芸能人の嫁さんもらって代議士していますが、あんな若造はワタクシの眼中にございません。
*つけたし*
私の中の“けっこう好きな政治家”の下には“支持はしないけど嫌いじゃない政治家”というランクがありますが、そのカテゴリーには小沢一郎、亀井静香、田中真紀子、野中弘務、宮沢喜一(50音順・敬称略)などが入ります。
なんだー、みんな保守系かつ、反(?)小泉かつ、“いしいひさいちのマンガ”に出てきそうな人ばっかりじゃん。