韓国では光復節と呼ばれている8月15日に行われたロウソク集会に参加した女性が警察に連行され、留置される際に「自殺の危険性がある」という理由で“ブラジャーをとる”ように強要されたことが波紋を呼んでいます。
留置場での自殺防止のためにベルトネクタイなどが取り上げられるという話は聞いたことがありますが、ブラというのは寡聞にして初めて聞きました。しかもデモに参加したというだけの理由で連行された人に対してとは。
いや~、今度からデモに参加するときは、キレイ目のブラをつけておかなければならないようですね(←違)。
この騒動の発端は麻浦(マポ)という国会議事堂があるあたりの地区の警察署でしたが、実は同じ日に別の警察署に連行された5人の女性たちもブラをとるように強要されていたそうです。(「
江南警察署もロウソク集会連行女性に‘下着脱衣’強要」)
それではこの事件に関する8月18日のハンギョレ新聞の記事です。どうぞ。
ロウソク集会連行女性に「ブラジャー脱衣」強要
警察、「自殺の危険性」を理由に反人権的な要求
人権団体、「重犯罪でもないのに無差別適用」
警察がロウソク集会の過程で連行された女性に対してブラジャーを脱ぐように要求し、弁護士接見の際には手錠をかけていたことから反人権的処置との批判が出ている。
17日の警察と人権団体の話を総合すると、ソウル麻浦警察署は16日の早朝、ロウソク集会に参加していたところを連行された20代半ばの女性を警察署の留置場に収監し、ブラジャーを脱ぐように要求した。この女性は拒否する意思を表したが、警察は「自殺の危険性などのため、規定上そのようになっている」として要求を継続した。結局、この女性はブラジャーを脱いで警察に預けたが、その日の午前にこの事実を知った弁護士などがこれに抗議したため返却した。また、警察はこの女性が弁護士と接見する際には手錠をはめて連れ出したため、「逃亡の恐れがないにもかかわらず、警察装具(拳銃、三段棒、手錠、予備実弾など)を強引に使っている」との指摘を受けてこれを解除した。
‘被疑者の留置および護送規則’には、「留置人の生命、身体に対する危害防止目的で留置人の所持品を出監時まで保管することができる」という規定がある。しかし、この規定を自殺の危険性のある重犯罪人ではなく、集示法(集会および示威に関する法律)違反という軽微な事犯に対してまでも無差別に適用することは違法な行為であるというのが‘民主社会のための弁護士の会’側の指摘だ。
これに対し、ソン・チャンベ麻浦署捜査課長は「自殺の危険性のため、紐状の物を回収したために起きたこと」だとし、「強制的に脱がせたのではなく、本人に要求して自ら脱いだこと」だと釈明した。またソン課長は過剰対応の論争が巻き起こると、「この女性が逮捕適否審査を申請し、留置期間が長くなると予想されたためにとった処置」であり、「1日か2日程度、一人で留置場にいなければならないため厳格に処置したもの」だと話した。しかし警察のこのような説明は、やはり適切な釈明とは言いがたい。逮捕適否審査を申請したといっても軽微な違法行為を犯した被疑者が、自殺の恐れがある重犯罪を犯した被疑者になるわけではないからだ。
ダサン人権センターなどの8つの人権団体は17日、「女性に下着を脱ぐように求めることは、性的羞恥心を与える行為」だとし、「手錠などの警察装具を乱用しており、これは単純なミスではなく、留置人に対する人権侵害が広範囲に発生している」と批判した。人権運動サランバンの活動家、パク・レグン氏は「強行対応を指示する指導部の督励が、結局は第一線の現場でこのような反人権的行為として現れている」と指摘した。
チェ・ヒョンジュン記者
(ハンギョレ2008年8月18日)