ジョージ・ブッシュ米大統領が昨日8月5日訪韓しましたが、それに反対する市民が各地でデモや抗議集会を行い、
アムネスティから人権侵害認定された韓国警察によって、多くの人々が強硬鎮圧・連行されました。
» 平和運動団体‘平和と統一を開く人々’のある女性会員が5日午後、京畿道城南市のソウル空港正門前で開かれたブッシュ訪韓糾弾集会で車両を警察が阻止したことに抗議したが、警察によって車外に引き出され、連行されている。【ハンギョレ/城南】シン・ソヨン記者
» ジョージ・ブッシュ米大統領が訪韓した5日夜、狂牛病国民対策委主催で開かれた‘米国産牛肉輸入全面再交渉を求める集中ロウソク集会’に参加した市民たちが、集会後にデモ行進をしたところ、警察に連行された。【ハンギョレ】カン・ジェフン専任記者
» 警察が鍾路3街で赤い色素が入れられた水大砲を市民たちに発射している。【ハンギョレ】カン・ジェフン専任記者
んでも、ブッシュ訪韓を歓迎する保守派の方々もいらっしゃるわけで・・・。
» 5日夜、ソウル市庁前広場でブッシュ大統領の訪韓に合わせて韓国基督教総連合会主催で救国祈祷会が開かれ、参加者たちが国民和合、独島守護、韓米同盟強化を求めている。【ハンギョレ】キム・ジョンス記者
保守派の方々はようございましたね。警察に守ってもらいながら、ソウル市庁前広場を堂々と使えて。
そして保守派の代表的論客、趙甲済(チョ・ガプジェ)『月刊朝鮮』(朝鮮日報が出している月刊誌)元代表は、8月5日に開かれたブッシュ訪韓歓迎国民大会の席で「
韓米の血盟関係は誰にも引き離せない」という演説を行い、その中でこのような発言をしました。
8月6日の前日ということを意識しての発言でしょうが・・・。
広島と長崎に原子爆弾を落とすという難しい決定を下したのは、トルーマン米大統領でした。そうして日帝は降伏し、我々は解放されました。韓国人が誰よりもまず感謝しなければならない方は、トルーマン大統領です。トルーマン大統領に感謝の拍手を送りましょう!
ふざけんな。広島の原爆で韓国人も2万人(この数字は資料によって1万~4万人の範囲内で違っていますが、広島の平和公園内にある韓国人犠牲者の慰霊碑に刻まれた数字は2万人とされています)が犠牲になっているのに。何が「感謝の拍手」だ。こんなやつが言論界の多数派の側にいるから、帰国した韓国人被爆者が声をあげられなかったんじゃないか。
そして一連の米国産牛肉輸入再開に対する抗議デモに関しては・・・
MBCが米国産牛肉は危険だと扇動し、親北左翼どもが組織的に子供たちをだまし、改革抵抗勢力と社会不満勢力が合流してこのソウルの中心地で騒乱、暴動を起こしてからすでに3ヶ月が過ぎようとしています。やつらの目的は明らかです。米国産牛肉に言いがかりをつけ、韓米両国の友情を壊すことです。
あきれて言葉を失ってしまいそうです。以前は月齢20ヶ月未満の米国産牛肉に骨のかけらが入っていただけで、「危険だ!」と言って送り返していたのに、政権が代わったとたんに月齢30ヶ月の骨付き牛肉が安全だと言われても、フツー、信じられないでしょ。その不信感が払拭されないうちに輸入再開を早々に決めた政府に抗議することの何が「言いがかり」だ。
演説の最後はこのような言葉で締めくくられています。
ワシントンにある朝鮮戦争のモニュメントには、このような言葉が刻まれています。Freedom is not free! 自由はただではありません。自由は独裁者と愛国者の血を吸いながら育つ木なのです。命と同じくらい尊い我々の自由を守るため、韓国とアメリカは共に行かなければなりません。共に戦い、共に勝利しなければなりません。Let's go together, Let's win together! 共に戦い、共に勝利しましょう! 共に戦い、共に勝利しましょう。
「共に」というよりは、単にアメリカの都合にあわせていいように利用されているだけのような気が・・・。イラクでは「自由」のために多くの人々が殺され、今も殺されています。そんな「自由」すらもこの方にとっては命と同じくらい尊いのでしょうか。
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今日の午前中、韓国のポータルサイトで「ヒロシマ」というキーワードで検索したらこの演説ページがニュース部門の一番上に表示されていた(一番上に表示されたのは時間的に一番新しかったからです)ので、つい読んでしまいました。韓国で保守派とは、こんな「アメリカ様万歳!」な方を指すようです。
そしてこの方、このような著作があります。
『李明博革命―保守主義が韓国を救う―』趙 甲済 (著), 李 英 (翻訳)
保守主義が韓国を救うんだそうです。ふうん。