2004年07月23日
あんにょ~ん。
先日、ソウルの交通大改正(もっぱら大改悪と不評)について書きましたが、
どのような改正があったのかちゃんと理解できていないうちにあわてて書いたため、
事実と異なる部分もありました。
訂正とお詫びもかねて、その後をレポートしたいと思います。
(あわてて書いてないレポートにも間違いがないわけではないんですが…)
前回、バスは800ウォンに、地下鉄は900ウォンに値上げと書きましたが、
実は、バス・地下鉄共に900ウォンへの値上げでした。
ハムニダ、シブチンで交通カードしか使わないのでわからなかったのです。
バス・地下鉄共に現金で払う場合は900ウォン、
交通カードで払う場合は800ウォンです。失礼しました。
んで、地下鉄の場合、距離によって料金がガンガン加算されます。
さて、バスからバス、または地下鉄からバスに乗り換えた場合、割引という
うれしいシステムがあります。
これは30分以内に乗り換えればタダです。
じゃぁ、バスから地下鉄に乗り換えた場合。
これは10キロ以内ならタダで、
10キロを超えた場合はまた距離によってガンガン料金が加算されます。
ただし、これらの割引は交通カードを使用した時のみです。
現金で払った場合、それぞれ900ウォン払わなければなりません。
だから交通カードを使ったほうが、ずいぶんお得なんです。
『韓ドラ』ブームの影響で韓国への日本人観光客が増えているようですが、
この夏、ソウルを自由旅行するという方は、この交通カードを使うことを
オススメします。
カード自体は1500ウォンで、交通料金を前払いしておきます。
使うごとに残りの金額が減りますが、地下鉄の駅で金額を充填できます。
日本のプリペイド・カードのように使い捨てではないので、
お金をつぎ足しできるところがミソです。
このカードを売っている場所は、路上のあちこちにある“小屋”です。
そう、あの新聞・雑誌、ジュース、宝くじなどを売っている“小屋”です。
気取って言えば“スタンド”ですが、あの外観はどう見ても“小屋”です。
「地下鉄の駅で購入可能」と書いてある日本語案内サイトもありましたが、
実際に駅で聞いてみたところ、「ここでは買えない」ということでした。
ですから、ぜひ“掘っ立て小屋”でカード購入にチャレンジしてみましょう。
[交通カード]を韓国語で言うと[キョトン・カードゥ]です。
[交通]は漢字語なので日本語と字は同じですが、発音が[キョトン]になります。
そして[card]を韓国語的に発音すると[カードゥ]です。
“ドゥ”を、日本語の“い”を発音するときの口の形で発音すればバッチシです。
これに[ください]という意味の[ジュセヨ]をつけて[キョトン・カードゥ・ジュ
セヨ]と
言えば[交通・カード・ください]になります。
まるで[ギブ・ミー・チョコレート]レベルなワンポイント会話ですが、
必要な言葉はこれだけです。
あとは“小屋の主”が「いくら前払いしときますか?」とか「日本人?」とか
聞いてくるかもしれませんが、“笑顔”と“気合い”で乗り越えましょう。
中には交通カードを扱ってない小屋もありますが、
そんな時もめげずに別の小屋で再チャレンジしましょう。
カードの使い方は簡単。
地下鉄の構内に出入りする時や、バスに乗り降りする時にカードリーダーに
かざせば自動的に金額が引き落とされます。
サイフやカバンの中に入ったままでもOKです。
お金を充填する時は、地下鉄の窓口にお金とカードをだまって出せば
あとは駅員さんがしてくれます。
ん?
なんだかソウルの観光案内みたいになっちゃいましたね。
じゃ、こっから下はその後のソウル(交通)事情についてです。
前にもお知らせしたように、
ソウルの公共交通機関は7月1日(木)に一気に改編されました。
この日はモチロン平日で、通勤・通学のラッシュ時なんてそりゃぁもう、
渋滞+事故の大発生と混乱はヒドイもんでした。その翌日もでしたが。
それでなくともソウルの人口は約1200万人で、
その周辺にも大小の衛星都市がたくさんあるんです。
東京とほぼ同じ規模の都市で、
いっぺんに交通大改正&大幅値上げを行ったと想像してみてください。
いや~、やっとれんでしょう?
なのに、なぜ交通渋滞が激しいとわかりきってきる平日に行ったのか?
それは、7月1日がソウル市長の就任2周年の記念日だったからです。
ふ、ふ、ふ、っざけんなぁ~!!!
おのれの都合で、勝手に市民の足を混乱させるんじゃないっ!!!
もうソウル市民の怒りは爆発です。
実際、バスの運転手や地下鉄の駅員にガーガー文句を連発している
アジョシ(おっさん)やアジュンマ(おばはん)をよく見かけます。
(運転手や駅員だって被害者なのね…)
こんな事件もありました。
とある大学生がソウル交通局のHPにハッキングして、
メールで市民にアンケートを送りつけました。
その設問の中には「市長のバカ!」という文章も入っていました。
もちろんそれに「YES!」と答えたのは1万件以上…。
(残念ながら私のところにはアンケートが届きませんでした)
その大学生は捕まっちゃったんですけど、市民からは
「彼は悪くない。悪いのは市長だ!」という意見が続出。
その後、大学生がどうなったのかニュースに出てきませんが、
私も彼の無罪放免を願う一人です。
さて、このソウル市長ですわ。
このシト、熱心なキリスト教徒であらせられるんですが、今年の5月に
「ソウルは神様が治める偉大なる都市であり、市民は神様の民である」
だの
「首都ソウルを神様に捧げる」と、ほざかれました。
そりゃ~、韓国はフィリピンに次ぐアジアのキリスト教大国ですけどねぇ、
国民の約30%は仏教徒なのよ。
それに憲法でも一応、政治と宗教の分離を定めてるし。
やっぱり、公の場で市長がそんな事ゆったらイケンでしょ。
まぁ発言の内容からして、日本の“M”前総理を思い出しちゃいますね。
さ・ら・に、この市長は、交通大改正で生じた混乱を
「(市民らが)あらかじめ研究しなかったのが問題」と、
あたかも混乱は市民のせいと言わんばかりの発言をしたのです。
こうなったら市民ばかりかマスコミまでもバッシングしはじめました。
「市長は口が10個あったとしても黙っていなければならない」
(↑気に入ったフレーズ♪)
とまで叩かれています。
おそらく今、世論調査を行えば、市長の支持率は一ケタでしょう。
おやま、こんなところも日本の“M”前総理そっくりですね。
日本の“M”前総理大臣は、どんっなに国民からの支持が下がっても
与党内の支持さえあれば総理でいられるという「議院内閣制の欠点」を
身をもって国民に知らしめましたが、ソウル市長は何をしてくれるのでしょう?
今後のソウル市長の失言・妄言に注目(期待?)したいところです。
薫