2004年07月03日
あんにょ~ん。
「選挙に行こう」シリーズを書かなければならないハズなんですが、
昨日、今日とちょっと感動した事がありましたので、お知らせします。
7月1日から、ソウル周辺の公共交通機関の運賃が一斉に
大幅値上げされました。
今までバス、地下鉄とも一区間700ウォン(日本円で約70円、
以下0を1つ取って日本円に換算してください)だったのですが、
一気にバスは800ウォン、地下鉄は900ウォンに上がったのです。
しかも地下鉄はいままでソウル市内はほとんど一区間内にあり、
仁川(インチョン)市や水原(スウォン)市など
ソウル市外まで行っても二区間の800ウォンだったのに、
今回の改正でソウル市内でも多くの区画ができてしまい、
今まで700ウォンで行けたソウル市内でも1000ウォン以上、
市外に出ると1300ウォン以上になってしまいました。
この値上げ幅は何なんでしょうね?
私が7,8年前、初めてソウルを旅行で訪れた時は
地下鉄料金は400ウォンだったというのに。
今やその倍以上ですよ。
『ビンボー金なし』なハムニダとしては、やってられません。
しかも、それだけではないのです。
バスは路線が再編成され、バスの路線番号も変わってしまいました。
だからソウル市民は大混乱です。
今まで利用していたバス番号が変わるだけならまだしも、
路線まで変わってしまったのですから。
混乱を避けるために、7月1日のみバス料金は無料となりましたが、
たった1日くらいでバス路線と番号を覚えられるわけありません。
私も悔しいので7月1日は雨の中バスに乗りまくりましたが、
無理ですね。ルートがかなり変わりましたし。
あと1ヶ月くらいは混乱するでしょう。
ところで、昨日、バイトの帰りに市内からバスに乗った時、
第一の感動がありました。
それは会社帰りの人など、客の多い時間帯でした。
乗客たちは皆、乗る前に運転手さんに
「○○へ行きますか?」と聞くので、乗り口は混雑します。
(ソウルのバスは前乗り、後ろ降りです)
で、私がバスに乗るときに料金を交通カード(バス、地下鉄共通)で
払おうとすると、運転手さんが
「そのままお乗り下さい。料金はいいです。」
と言うのです。
カードリーダーが故障でもしたのか?と思ったが、
後ろにたくさんの乗客が待っているので、
とりあえずそのままバスの奥に乗り込んだのです。
そして、お客さんが一通り乗り終わると、運転手さんは、
バスを発車しながら演説をはじめました。
「えー、この度の交通運賃の大幅値上げ、路線大改編により、
ご利用のお客様には多大なるご迷惑とご不便をおかけして、
誠に申し訳ございません。われわれ、運転手一同も、
強い憤りを感じており、会社に対して抗議している次第であります。
ストライキなどの手段もあるのですが、それではお客様方に
ますますご迷惑をおかけすることになりますので、
ただ今、お客様から料金をいただかないという方法で、
抗議の意思を表しております。われわれも戦っております。
皆様もぜひ、わが社のHPの掲示板に、今回の運賃大幅値上げ、
路線改編に対する抗議の書き込みをよろしくお願いいたします。
皆様のご理解、ご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。」
この運転手さんの演説が終わるやいなや、
ほぼ満員のバスの乗客から一斉に拍手の嵐でした。
いや~、かっこいいよ。男だよ。サムライだよ。
そして今日バイトに行く時にも、
“戦っている”運転手さんのバスに乗り合わせました。
その運転手さんは、演説こそしなかったものの
「機械(カードリーダー)が壊れてますから料金いりません。」
と言って料金をとっていませんでした。
しかし、7月1日直前に導入された新品のカードリーダーは
どう見ても単に電源を切っているだけ。
現金払い用の運賃箱自体も乗せていません。
この運転手さんも確信犯ですね。
んで、バスが信号待ちをしている時、となりの車線に
別の路線のバスが止まりました。
そちらバスの運転手さんが、
こちらのバスに運賃箱がないのを見て“ニヤリ”。
そして窓を開けて運転手さん同士で会話がはじまりました。
「お前んトコは料金とってないのか?」
「あぁ、うちんトコの路線はほとんど機械が壊れてるんでね。」
「そうか。こっちもさ。(ニヤリ)」
う~ん、かっくいぃ~。
これぞコリアン・ダンディズム!
いや~、韓国にもサムライはいたよ。
“戦っている”運転手さん、がんばれ!