救う会(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)が、韓国の京郷(キョンヒャン)新聞に対して、以下のような抗議声明を出しました。
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「京郷新聞」9月7日報道に対する抗議声明
なんでも「京郷新聞が重大な事実誤認にもとづき、北朝鮮による拉致被害者救出運動を誹謗する記事を掲載した」ことに対して抗議している模様です。でも抗議文を読む限り、韓国の野党議員への資金援助がどうこうよりも、記事で「極右団体」と書かれたことに対して
キイキイ言っているようにも見えます。「この活動を『極右』と決めつける『京郷新聞』こそ偏向しているのではないか」という表現で抗議文がシメてあり、かなりご立腹のようです。
では、救う会が怒っている京郷新聞の元記事を読んでみましょう。ちなみに、この記事に出てくる“野党”とは、保守系野党のハンナラ党のことです。それではどうぞ。
野党議員らが日本の右翼の支援で訪日
ハンナラ党のファン・ウヨ、ソン・ヨンソン議員が5月、日本国内の代表的な極右団体、“救う会”(北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会)から航空運賃・宿泊費などの滞在費用全額を支援されて日本を訪問した事実が、今月6日になって明らかになった。
ファン議員らは、高校生当時に拉致された被害者、金英男氏と結婚した横田めぐみの拉致問題が焦点となるなか、救う会の西岡力副会長の招聘により訪日した。
西岡副会長は“新しい歴史教科書をつくる会(つくる会)”の草創期のメンバーとして活躍し、「従軍慰安婦と朝鮮人強制連行云々は、韓国側の捏造」だと主張してきた。
ファン議員らの訪日には、チョ・ガプチェ月刊朝鮮編集委員、ハンナラ党のキム・チョルギ京畿道党副委員長らが同行した。彼らも滞在経費全額を支援されたことが伝えられた。
ファン議員らは訪日後、5月28日に日本の拉致関連団体が主催した“拉致被害者送還のための国民大集会”に参加し、一部の者は翌日、安倍晋三官房長官と会談し、拉致被害者問題と関連して安倍長官を支持する発言をしたことが伝えられた。
ファン議員は日帰りで、ソン議員は2泊3日の日程で日本に滞在した後、帰国した。
ファン議員は当時、ハンナラ党拉致被害者人権特別委員の委員長を務めていた。
ファン議員はこの日の夜、記者との通話で「費用部分は補佐官が処理したので正確には知らないが、日本側でも(経費の)一部を負担したのかもしれない」とし、「私は純粋な市民団体の招聘だと思って訪れた」と話した。彼は後に再び電話をかけてきて「救う会は初めて聞く団体で、当初は航空費用を私が負担したが、帰国後に航空費用を清算して受け取ったと聞いている」と話した。ソン議員は「招聘者側で経費を負担するのが当然じゃないですか。私を親日呼ばわりするのか」「この問題についてはこれ以上話すことはない」として電話を切った。
▷ “救う会”・“つくる会”
1997年3月に結成された家族会(北朝鮮による拉致被害者家族連絡会)を支援するために98年4月に結成された団体。“つくる会”幹部の西岡力が副会長を務め、実質的に率いている代表的な右翼団体として分類されている。活動資金は大部分が極右勢力からの支援を充当している。西岡副会長は、日本の教科書歪曲を主導するなど、右傾化の流れの代表格として注目されてきた。
“つくる会”は2001年に日本の教科書歪曲波紋の中心的役割を果たしてきた極右団体。日本の戦後改革を“自虐史観”と規定し、日本の植民地支配や侵略戦争など過去の日本の歴史を先頭に立って正当化してきた。つくる会が右翼的な観点から新しい教科書を執筆したのが“扶桑社”の教科書だ。
〈イム・ジソン記者〉