エロ教祖によるレイプ、合同結婚式、有名大学に通う学生たちをねらった巧みな勧誘とマインドコントロール、教団への多大な献金、ってどっかで聞いたことがあるなぁと思ったら、おぉっと、統一協会と同じ手口じゃないですかぁ。このエロ教祖はもともと統一協会の信者だったんですってねぇ。
なぁんて、ワイドショー的なネタが満載ですが、イマイチどのメディアも歯切れが悪いようです。やはり「壷のタブー」なんでしょうか。
これ以上被害者を出さないためにも、マスコミはもっとこのことを報道すべきだと思います。ただ、私が大学生だったころは芸能人やスポーツ選手の合同結婚式への参加もあって、統一協会に関する報道がしつこくされていましたが、韓国におヨメに来ている統一協会信者のなかには私と同世代くらいの日本人女性がたくさんいます。結局、興味本位の報道はまったく意味をなさなかったということなのかもしれません。
ところでまぁ、このJMSという教団と統一協会の類似性は韓国では以前から報じられていました。今日は2006年4月27日の時事ジャーナルの記事を翻訳してみました。それではどうぞ。
「お前達はイエスの再臨である総裁の新婦だ」
鄭明析(チョン・ミョンソク)総裁に対する告発と暴露が絶えない中、女性信者はなぜ性的暴行を受ける直前まで彼を信じるのだろうか?『時事ジャーナル』は1999年以来、チョン・ミョンソクから性的暴行を受けたと証言した被害者である女性信者7人にインタビューし、基督教福音宣教会(JMS) 入信から性的暴行があった直前までの過程を分析してきた。おおむねこれらのメカニズムは、30講論の伝播→チョン・ミョンソク崇拝→“新婦教育”につながる3段階に分けることができた。
第一段階:チョン・ミョンソク・コード=30講論
JMS信者が友達を勧誘するときに、まず第一に引き出す秘術は30講論だ。30講論とはJMS教理の30章を選び出した理論で、聖書は比喩・隠喩的表現であふれているという前提で始まる。たとえば創世記のアダムとイブがヘビの誘惑により禁断の実を取って食べ、原罪を犯すことになったという部分は「イブがサタン(ヘビ)と性関係を結んだ後、アダムとイブが神の許しなく性関係を結んだ」という事実を比喩的に書いたというものだ。「取って食べた」という言葉の一般的表現であるとか、イブが妊娠の苦痛を受けるようになったとか、禁断の実を食べた後に陰部を葉で隠したという聖書の一説は、この仮説をそれらしくしている。
また、聖書で「雲」とは群集を比喩した単語で、雲に乗ってイエスが再臨するという言葉は群集を引き連れてくるという意味だと解釈された。同じように「火」は「御言葉」を比喩していると解釈された。該当する比喩に変えてみると奇妙にも符合する部分がある。初めて30講論に接する大学生が不思議がる理由だ。その中には通常の教会では聞くことができない聖書の隠された秘密コードを解読するような感覚に陥る人もいるはずだ。
30講論は『ダ・ヴィンチ・コード』を凌駕する『チョン・ミョンソク・コード』である。「神の記号を自分だけが知っている」という先駆者的な陶酔感は高学歴であるほど強く、容易にJMSにはまり易い。2003年、香港でチョン・ミョンソクから性的暴行を受けたと証言した元女性信者のコ・ヒジョン(仮名)さんは「30講論は既存のキリスト教では解けなかった科学と宗教間の乖離を解決するかのように見えた」と述懐した。
しかし、実は30講論の主要内容はチョン・ミョンソク以前にすでに基督教界の一角で伝えられてきたものだった。統一協会がその代表だ。統一協会も同じ創世記の禁断の実に関する一説についてヘビ(サタン)とイブが淫乱な行為をして原罪が生じたと主張している。後発走者だったJMSは統一協会の原理講論をより洗練して簡潔に練り直したのだ。
第二段階:チョン・ミョンソクがイエスとだという事実を隠せ
JMS教団は新しい信者が30講論を十分に理解して教団のコミュニティに包括されるまでは、チョン・ミョンソク総裁がイエスの再臨であるとは公言しない。JMSの教会に通いながらもその教会がJMSだということを知らない場合も多い。
新しい信者が30講論について畏敬の念を持ち、JMS信者と親しくなって初めてそれとなく30講論の主唱者チョン・ミョンソクを引き合いに出す。コ・ヒジョンさんは「初めはチョン・ミョンソクはただ立派な若者たちが従っている指導者だと考えました。後に忠清南道・月明洞(教団本部)で信者がチョン氏をイエスと再臨だと崇めているのに接して私も自然にそのように信じるようになりました」と言った。
第三段階:お前は私の新婦だ
JMSは男女交際を厳格に禁止することで有名な教団だ。しかしチョン・ミョンソクは例外である。3月18日にJMSを脱退した信者が中心になった反JMS市民団体、“エクソダス”は教団から組織的に若い女性信者をチョン・ミョンソクに捧げる証拠である文献を公開した。この文献には16~29才までの女性6人がビキニを着た全身写真があり、体のサイズとともに該当の女性がチョン・ミョンソクに送った「恋文」が貼付されていた。
JMS側はこの写真について「教団に芸術団があり、芸術団傘下にモデル部・チアリーダー部がある。確認した結果、実際にモデル部の信者が1、2名いることはいる。いつ写真を撮ったのかは記憶にない。推測だがモデル部内で審査するときに使うために非公開で撮影した写真ではないか。わが教団は趣味活動を奨励しているため、問題になるようなものではない」と主張した。
注目すべきは写真よりも手紙の内容だ。「先生から送っていただいた腕時計、確かに受け取りました」というようなチョン・ミョンソクが下賜したプレゼントに言及していることなどに加え、「新婦○○○より」「天の新婦らしく」「天の素敵な新婦○○」などと自分を新婦と表現している。
JMSは神と人間の関係が旧約4000年は主と従の関係、新約2000年は父と息子の関係、新時代の1000年は夫婦の関係だと教えている。神と夫婦関係を結んでいるという概念は、神とセックスもできるという発想につながる。最近、性的暴行を受けたと証言したチャン・アムゲ(21)さんは「中国出国前に“教育”というものを何度もうけた。たとえば年上の女性信者が『○○は神様を深く愛しているから主とセックスをしたいんだそうよ。ところであなたはどう思う?』といった誘導尋問を投げかけてくる」と話した。チャンさんの話によると、その場の雰囲気では「私もそう思う」と同意するしかなかったということだ。
*ちなみに私はキリスト教用語(こんなのをキリスト教の範疇に入れたらクリスチャンから怒られてしまいますが)にはまったく疎いので、以下のサイトを訳語の参考にしました。
キリスト教異端「摂理」 旧称(MS)について
「摂理」の教義 『堕落論』(統一協会の堕落論との比較)