ご無沙汰しております。
仕事が忙しいと、逆にコラム更新に燃えてしまうんですが、先週は社外の人間(日本語がわかる韓国人)が私の席の近くにおりましたので、サボることができませんでした。ハイ。
いや~、今やってるプロジェクトは日本語→韓国語の翻訳なんですけど、韓国語のネイティブじゃない限り難しいわなぁ。
だから私ができることといえば、ある翻訳用ツールを翻訳家のパソコンに設置してあげたり(←でもエラーが出て結局、エンジニアにやってもらった)、「このキャラはこーゆー設定だからこんな言葉遣いにしてね」と説明したり(←でもどう訳すかなんてネイティブじゃなけやわからんっちゅーねん)、とかぐらいですけどね。実際の翻訳はフリーランスの韓国人翻訳家にやってもらうと。で、あとそのファイルを集めてどーたらこーたらするのがワタクシの仕事なのです。
まぁ、この韓国人の翻訳家さんたちは、みんな大学院で翻訳を専攻しており(ハイ、ワタクシ、そんな専攻はしていないにもかかわらず、社員としてエラソーに働いております)、日本に住んだ経験もある人たちなんで、監修するのもラクなんですわ。
さて、その反対の韓国語→日本語の翻訳の場合、私の出番が多くなってしまう(=忙しくなる)のです。その理由は私が日本語ネイティブであるからではなく、“翻訳の質が著しく低下するから”なのです。どんなにヤリ手の翻訳家さんでも、韓国人の場合、ビミョーな日本語のニュアンスまでは表現できなかったりします。それに日本人の韓日翻訳家はたいてい日本に住んでいます。
じゃぁ、とりあえず、「韓国に住んでいる日本人」というのは…?
えぇと…、これがですねェ…、あまり具体的なコトを書くと香ばしくなっちゃうんですけどぉ…。だから…、ちょっと…、ゴニョゴニョと書きますが…。
韓国人と結婚した日本人に翻訳をしてもらうとしますよねぇ…。そしたら、韓国特有の“こゆ~い”親戚関係などに影響されてか、“ものすご~く韓国語を直訳したようなトホホな日本語”になっちゃうんですわ。
具体的にどんな日本語かと言うとォ…、おぉ、こちらに
ちょうどいい例がありました。このツッコミどころ満載なパンフでいきましょう。
←これは純潔キャンディーという、一時期、路上で某カルト宗教団体系の団体が配っていたシロモノだそうです。これについているパンフがクセものなんですが、う~ん、このブログに入れると小さくなって、文字が読めないので、
達也君の(悪)趣味のぺ・え・ぢ別館さんで直接ご覧になることをオススメします。
さあて、どこからツッコもうかしらん。ま、「純潔は 私の誇り 私の幸福」の
“誇り”の部分のふりがなが
“ほこり ”となっていて、
“り ”がダブっているのは翻訳というよりは、編集上のミスということで見逃してあげましょう。まぁ、低年齢層にもわかりやすいように、ふりがなをふっているところがニクイですね。
アメ玉なんかをつけたのも、ガキに受けがいいようにしたんじゃないかというのはウガッた見方なんでしょうか。
んで、翻訳という観点からツッコミを入れたいのは、下の『純潔宣言文』ですわ。
一、私は淫乱ビデオや淫乱雑誌、酒、たばこの誘惑を退けます。
ここも、最初の“一”は“いち”ではなく、“ひとつ”とふりがなをふるべきだと思うんですが…。それよりも、えっとー、そりゃ
韓国ではエロビデオやエロ雑誌のタグイは“淫乱物”と言いますケドねぇー、日本じゃ言わないと思うんですよー。文章上でも純潔を守って“エロ”という言葉を使いたくないのでしょうか?“淫乱”のほうが“エロ”よりもむしろヤラシー感じがしませんか…。
“誘惑を退けます”もなんか直訳ギミですねー。“誘惑に負けません”とか“~に惑わされません”としたほうが自然な日本語だと思うんですが…。
一、私は真実な心で友達に対し、暴力を振るわない。
う~ん。名詞“真実”は“な”をつければ“形容詞”になりうるのでしょうか?そのへん詳しい方、ヨロシク。というか、そう思わせる時点でこの訳はアウト。“誠実な心”とか“純真な心”とするべきでしょうね。それと“友達に対する”じゃ、なんだか決闘でも申し込んでいるみたいですねぇ。でも次に“暴力を振るわない”と言っているんですから、“友達と接する”にした方がいいんじゃないでしょうか。
それにしても、なんで宣言文のほかの文は「です・ます調」なのに、ここだけ“振るわない。”という語尾にしているんでしょう?“振るいません。”じゃないのか?
などと、やっていたらキリがないのでやめておきますが(しかも休日にナニやってんだか…)、この純潔運動って、キモいですよね。「純潔をも守らない=即、望まない妊娠」するぞ~、するぞ~。と脅されているような気分になります。
それ以前に「ちゃんと避妊方法教えとけや」って、思うんですけど。ハイ。