■ おっぱぁ~? ■
もうすぐ私も大学院修了である。
勉強できるのも今のうちなんで、大学に行ったときは
図書館でめいいっぱい本を借りたりしている。
ある日、図書館から出たところでN氏にばったり。
あぁ、このN氏とは酒の席ごとに日韓歴史論争を繰り返す
永遠のライバルというか、もう“
蛇とマングース”…。
N氏は私の顔を見るなり「酒飲みに行こーぜ!」
………。
おのれはワシのこの両手にかかえられた本の山が目に入らんのかね。
しかしその日6時には何人か集まって酒を飲んでいたのである。
その中に、今回初登場のK氏がいた。
K氏は「ハムニダさんですか。ウワサはかねがね…」
どうやらN氏やP氏(
“日本はフリーセックス”発言した人)が
事前にいろいろと吹き込んでいたらしい。きっ。
K氏は私より1つ年上だったので、K先輩と呼ぶことにした。
しかしP氏が「オッパって呼べば?」
オッパとは、辞書的な意味では『(女性の)お兄さん』となるが、
実際の用途は多用で、女の子が親しい先輩や年上の男友だち、
さらには年上の彼氏や夫を呼ぶときにも使える言葉なのである。
しかもこの単語は韓国男子にとって“あまぁ~い”ヒビキがあるらしく、
オッパと呼ばれると目尻は2ミリは下がる、鼻の下は3ミリは伸びる、
そして財布のヒモはゆるゆるになるという魔法の呪文のような単語である。
韓国に来たときは、ぜひお試しあれ(女性限定)。
しかし大学院の学友はみな年下か同い年、
あるいは“先生”と呼ばなければならないほどの年上なので
学校で“オッパ”って使ったことなかったのよね。
いや、学校外でもないけどさ。ツレアイは年下だしさ。
結局、こっぱずかしいので“先輩”で通すことにした。
だって実の兄ですら“お兄ちゃん”と呼ばずに名前で呼んでるのに。
■ おのれに言われとうない ■
さて、そのK先輩が私に聞いてきた。
「ハムニダさんの政治的スタンスはどんな感じなんですか?」
このK先輩は日本の安保政策を専攻しているから、
やっぱり関心があるのよね。
私が「え~っと、私は基本的にですね…」
と、慎重に答えようとしてたら
横からN氏が
「あっ、コイツ反日。反日。もうめっちゃ反日的っス。
コイツを基準にして日本人を見ないほうがイイっスよ。」
と割り込んできやがった。
あ~の~なぁ~。
ワシが“反日的分子”なんをなんでオノレが知っとるんじゃぁ!
(日々の言動からもうバレバレ?)
しかも去年から私が好んで(?)使っている“反日的”
という単語でも、他人からいざ言われてみると…。
………まっ、いいか。
実際に反日的分子だし。
■ なんだなんだ? ■
この前、地下鉄に乗ろうとしたら、駅になにやら警官が多い。
おっ、銃をかまえた兵隊さんもわらわらいる。
「な、な、なに?事故にしては大げさな…?」
でも、まわりの人たちはごくフツーにホームに降りて行ってる。
と、一人でビビってると、管内放送で
「え~、市民の皆様にはご迷惑をおかけしております。
ただ今、爆弾テロ対策の訓練中でございます。」
と、ワレまくりの聞き取りにくい音声で案内が。
ふ~。なんだ~。
近くに別に政府機関や大使館があるわけでもなく、
デモが行われるような場所でもないのに、何だよ。訓練かよ~。
(↑ろうそくデモで有名な光化門のアメリカ大使館前とか、
米軍基地がある竜山とかでは毎度おなじみですけどね)
しっかし、あまりにもモノモノシイぞ。
なんか、どっかの都知事とか、前防衛庁長官とかが見たら
ウハウハとコーフンしてしまいそうな光景でありました。
それにしても、韓国に来てからは軍人見てもビビらなくなったなぁ~。
最初は地下鉄やバスの中で(休暇中と思われる)若い兵隊さん見ても
ギョっとしてたもんだけどなぁ~。